道具的動機づけを意識してサロン英語を学ぼう
国際的な活躍を強くイメージすることが英語上達の近道に!

第二言語習得理論の基本的な考え方に「道具的動機づけ」(instrumental motivation)があります。これは、何らかの目的達成のための道具(instrument)として英語を学ぶ人は、言語習得が有利になるという考え方です。道具的動機づけは、理容師・美容師に限らず、多くのビジネス英語学習者を支える大切な要素です。
道具的動機づけと統合的動機づけがサロン英会話を上達させる
ヘアサロンで仕事をするヘアスタイリストにとって、英語は接客のための道具。まさに道具的動機づけが生きる現場です。理容美容専門学校で「外国語」を選択履修した人の中には、「英語は嫌いだけど、将来の国際的な活躍に役立ちそう」という気持ちでサロン英会話を学んだ人もいるでしょう。その動機は、今も変わらず持ち続けていますか?
何ごとも、動機が無ければ行動は起きません。それは英語学習も同じこと。道具的動機づけというと少々難しく聞こえますが、要はスタイリストとして「何のために英語を学ぶのか」という意識をしっかり持ち続けることが大切だと、私たちに教えてくれているのです。
「道具的動機づけ」とともに語られることが多いのが「統合的動機づけ」(integrative motivation)です。統合的動機づけとは、ある特定の言語地域・集団の一員となる(統合的に受け入れられる)ために英語を勉強するという動機のことです。
国際的なヘアスタイリストに憧れて英語を学ぶ皆さんの中には、いずれは諸外国のアーティストチームの一員となって活躍したいという動機を持つ人もいるでしょう。そのような人にとっては、外国人チームの一員として認められたいという「統合的動機づけ」が、さらに英語学習を後押ししてくれるはずです。
毎日のサロンワークで触れるモノを英語で表現してみよう
まさに今、理美容学校で英語を勉強している人はもちろんですが、サロンで活躍中の現役ヘアスタイリストの皆さんも、ぜひ何らかの形で日々英語に触れてください。皆さんには強い「動機づけ」という味方がついています。地道な学習の継続で、英語力は持続的に伸びていきます。
そのためには、毎日少しでも英語に触れましょう。日本理容美容教育センター指定の英語テキスト『外国語』(清水利宏 著)の巻末には「和英表現集」が用意されています。カタカナ英語が多い理美容業界ですが、それらの正しい英語表現を覚えていくのは、サロン英会話の基礎体力を向上させるのに最適です。
日々のサロンワークで実際に英語を使う人は少ないかもしれません。そんな人こそ、いつも目にする理美容器具やスタイリング技術を英語で何というか、外国語教科書の「和英表現集」で調べてみませんか。カタカナ英語のウソに気付いて、調べるほどに新しい発見があるはずです。
サロンワークで求められるのは、流暢で上手な英語ではなく、仕事のための「道具としての英語」です。将来の国際的な活躍をイメージしつつ、日頃から英語学習のための動機づけを高めておきましょう。