8分割用紙|説得型スピーチに最適なテーマとは何かを議論する土台

スピーチテーマを考えるなら最低8つ以上の候補から

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説得型スピーチのテーマ探しは「8分割用紙」から始まります。まずはスピーチでとりあげるテーマを8つ考えること。1つでも大変なのに8つなんてムリ!と思うかもしれませんが、8つを絞り出すことに意味があります。がんばって絞り出した中から、必ず最高のテーマが見つかります。

8分割用紙の作成方法:社会問題と概要の組み合わせ

8分割用紙は、その名の通り「A4判用紙を8分割して切り取れば8枚のカードになる仕様」となっています。それぞれのカードには「題目(社会問題)」と「なぜこれが問題?(問題の概要)」というふたつの項目があります。

「題目」には、自分が考えたテーマに大まかな名前を付けます。たとえば「ごみ処分場の不足」「AIで奪われる雇用」「SNSに振り回される若者」といったフレーズで十分です。端的に「何を言いたいのか」が一瞬で把握できる題目を書き込みます。

「なぜこれが問題?」には、上の「題目」で記したテーマの概要について紹介します。長々と書く必要はありません。それを見た人が、どのような論点を議論するのかがある程度理解できれば十分です。

先に挙げた3つの題目例でサンプルを作成すると次のようになります。

  • 題目:ごみ処分場の不足
    概要:増え続けるゴミを処分するための埋め立て地や焼却灰を処分する場所がなくなっていく。便利な使い捨て用品も増えていて、ゴミの量を増加させている。
  • 題目:AIで奪われる雇用
    概要:生成AIの浸透で、これまで人間が対応していた業務がAIにとって代わられる。人間とAIの分業が進むと、お互いを理解するどころか邪魔なモノとして向き合うことになる。
  • 題目:SNSに振り回される若者
    概要:SNSで見聞きした情報をそのまま疑わずに受け入れると何が真実かを見失う。この問題の背景には人間関係の希薄さがあるのではないか。

なぜ8分割なのか?多角的な視点と聴衆の心を掴む力

8分割が埋まるまでに、社会問題として書き出すテーマが見当たらなくなることがあります。そんな時でも、ムリをしてでも8つのテーマを埋めることに意味があります。そんな時のために、日頃からニュースや社会のトレンド、身近な地域の課題などに日頃から関心を持つことが大切です。

過去記事「面白くて優れたスピーチテーマの原石を見極める目力」でも触れましたが、テーマの在庫が底をついても、何とかがんばって8つ(あるいはそれ以上)の社会問題を考えることが大切です。その努力が社会を多角的・多面的に観察する訓練になります。

8分割用紙が完成したら、友人に確認をしてもらいます。聴衆目線でコメントをもらえるように、「どのテーマのスピーチを聞いてみたい?」「どれが退屈?」などと確認してみましょう。

友人(聴衆)と自分の関心が一致すると嬉しいですが、それがそのまま「良いテーマ」だと判断はできません。なぜなら、皆が「面白い」と指摘するテーマは、コンテストの本番を迎える頃には「賞味期限のピークが過ぎた」退屈なテーマになっていることがあるからです。

友人から「これってどういうこと?」と聞かれるようなテーマがあれば、ぜひそれを候補に残してください。それが「優れたテーマの原石」となる可能性があります。ハナからつまらないテーマなら、いちいちスピーカーに説明を求めたりはしません。少なくとも「どういう意味だろう」という感心を寄せてくれたということはひとつのアドバンテージです。

8分割で自分のスピーチ候補を友人や先生とともに議論することは、素晴らしいスピーチのプロセスです。この「8分割用紙」を使った検討・議論の経験を通じて自分自身の視点を見直し、聴衆を惹きつけるスピーチテーマを見つけ出す第一歩にしてください!

8分割用紙の次の議論は「4分割用紙」です。そこでは「論証」と「解決策」が追加されます。いよいよ説得型スピーチらしくなるステップです。ユニークなテーマに出会い、コンテストを有利に運びましょう!


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