高校生の英語スピーチ、題材やテーマで差をつける「背伸び」の極意

「らしさ」を越える背伸びから、高校生にふさわしいテーマを考える。

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英語スピーチのテーマを探すとき、自分にふさわしいかどうかという基準に縛られていませんか? スピーチには、話者にふさわしい「らしさ」という暗黙の観点があります。これに沿っていればスピーチは無難ですが、ここから外れることで緊張感が生まれます。この緊張感をプラスに作用させるのが「背伸び」のテクニックです。「らしさ」の枠を戦略的に外れることで、スピーチの印象は変わります。

背伸びとは「らしさ」が持つ期待枠を外れること

「らしさ」のあるスピーチには安心感があります。中学生らしい、高校生らしい、大学生らしい、と言えば、それぞれに何となくイメージされる話題展開の「枠」が感じられるはずです。この枠を外れると、「中学生なのにオトナな視点」とか、あるいは「大学生なのに分析が甘い」といった印象を残します。

その観点から考えると、高校生らしさの「枠」とはどのようなものでしょうか。ざっくり言えば、一定のオトナな視点が求められつつ、高度な分析が無くても許容される、というあたりでしょう。具体的には、「僕の夏休み」では足りないけれど「世界経済における国内市場の役割」までは求められない、そんな印象です。

高校生のスピーチだからこそ、「背伸び」が良い緊張感を生みます。たとえば「僕の夏休み」のようなテイストで、夏に遊びに行った思い出を話をしていたかと思えば、そこから日本人の消費行動の話になり、国内市場に対する若者の意識の薄さへと話が展開すれば、聴衆をハッとさせる緊張感が生まれます。

要は、意外性です。夏休みの話という、いわば高校生らしい素朴な話題かと思わせておいて、そこからオトナな話題へと展開する。その「背伸び」が聴衆を驚かせます。普通の話から、少し背伸びをしてみる。そんな意識をもつと、高校生らしくて、かつ驚きのあるスピーチが生まれます。

どんな話題でも「ちょっと背伸び」を心がける

高校生の場合、英語授業の課題でスピーチを発表する場面もあるでしょう。そういう時こそ、この「メインの話題+ちょっと背伸び」という組み合わせを意識してみてください。

たとえば、テーマ探しに苦労した結果、苦し紛れに「推しのアイドル」の話に決めたとしましょう。まずは、その「推し」に惹かれる要因を紹介し、いわゆる「推し活」のワクワク感を楽しそうに話します。ただ、それだけで制限時間を使い果たすのではなく、途中で少し背伸びをしてみるのです。

この例でいう背伸びとは、たとえば「自分の推し活が経済に与える影響」「推し活のためにがんばって勉強とバイトを両立させる高校生」「エンタメ業界の課題や将来性」といった話題です。自分の一人語りから「社会との接点に目を向けた話題」への転換と言ってもよいでしょう。この工夫を整理すると、次のようになります。

「話題+背伸び」の例

  • 自分の興味のあること + 社会問題
  • 身近な出来事 + 歴史的背景
  • 個人的な経験 + 未来への展望
  • 授業で習ったこと + 疑問点の提示
  • ニュースの話題 + 高校生の視点

こうすることで、スピーチにおける「高校生らしさ」を、良い意味で裏切ることができます。それが意外性となり、聴衆には「おや?」という新鮮な驚きを生みます。説得型スピーチとして完全に立証できなくても、「僕の夏休み」や「僕の推し」だけで終わるスピーチに比べれば、その充実度は明らかです。

簡単なテーマでも、ちょっと背伸びをすれば「なるほどねー」と思ってもらえるテーマに発展させることができます。言い方を変えれば、何気なく決めた平凡なテーマに、少しオトナな肉付けをして、高校生らしさを少し超えるよう、スピーチの形を整えるということです。

ただし、無理に背伸びをした話題に展開すると、「わざとらしい背伸び」に響いて逆効果になります。あくまで自分の言葉で語れる範囲で、無理をせずに、「少しだけ社会性のある視点」に広げてみるのがポイントです。

とりあえずのテーマを決めたら、そのテーマと社会との関係性を考えてみましょう。そのテーマからストーリーを展開する中に「らしさ」を超える驚きが隠されています。ぜひ次の機会に「ちょっと背伸び」を試してみてください。


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