PowerPoint|スライドは「1枚3秒ルール」で要約できる情報量に絞る
「書きすぎ・盛りすぎ・飾りすぎ」を予防する「1枚3秒ルール」

いつの間にか、予定よりも多くの情報をスライドに盛り込んでしまった経験はありませんか。そのために本当に大切なポイントが霞んでしまうことも…。聴衆にとって分かりにくいプレゼンの代表格は「多すぎる情報量」です。スライド作成の段階から「各ページを3秒以内で要約できるか」を問いかけると、全体を通じたスライドの伝達速度は飛躍的に向上します。
スライドの要点を3秒以内で説明できなければ情報過多
プレゼンテーションの分かりやすさには客観的な基準が必要です。その重要な指標の一つが、パワーポイントスライドの各ページを、それぞれ3秒間で要約できる情報量に限定することです。3秒で要点を言い切れるということは、すなわちそのスライドで伝えるべきポイントが曇りなくハッキリしている状態です。
ここでいう「要約」とは、それをそのまま聴衆に話すための台本ではありません。それぞれのスライドで聴衆に伝えたい「究極の要点」は何かを、自分の言葉でひと言に整理することです。言い換えれば、各スライドを超簡潔に要約してみることで、発表者自身がスライドの情報量をセルフチェックするわけです。
この「1枚3秒ルール」は、スライドの情報量に何ら物理的な制限を設けるものではありません。たとえ文字量が多くても、あるいは画像による情報量が多くても、1ページが伝えるべきメッセージをそれぞれ3秒以内で要約できれば良いのです。
スライドを制作する際も、プレゼンの発表練習をする際も、「1枚3秒ルール」で情報量をチェックする習慣をつけましょう。もし1枚のスライドを3秒以内で要約できないときは、そのページの情報量が多すぎます。その主な原因は、文字の書きすぎか、ビジュアルの盛りすぎです。原因を考えて情報量を削減しましょう。
スライドの美は、究極なまでのシンプルさに宿る
当然ながら、情報量は少ないほうが分かりやすいスライドになります。この基本を忘れてしまうプレゼンターが多いように感じます。分かりやすく、流れるように理解できるプレゼンは、つまるところ、どこまで一枚一枚のスライドをシンプルにできるかにかかっています。
過去記事「幕の内弁当で簡単に失敗するプレゼンテーション」や「フォントの大きさは36ポイント以上を使うとスッキリ」でも、余計なモノを省いたシンプルさが、プレゼンの伝達力を左右することを紹介しました。それに加えて、この「1枚3秒ルール」で要点を確認する習慣をつければ、聴衆にとっての分かりやすさは、さらに確かなものになります。
各スライドの要点を端的に確認・把握することは、真に必要な情報のみでプレゼンが構成されているかを確認するということでもあります。文字の書きすぎ、ビジュアルの盛り過ぎ、余計な飾りすぎを避けるために、ぜひプレゼン制作のプロセスで意識してみてください。
「1枚3秒ルール」でテンポ良くスライドの流れを確認できたら、既に各スライドの要点が頭にすっと入る状態になっているはず。あとは自信をもって発表すれば完成です。
「3秒なんて難しい!」と感じる人は、まずは10秒、そして5秒と、段階的に3秒を目指しても構いません。大切なことは、各スライドの要点を端的に説明できることです。プレゼンターは、常にシンプルであることの大切さを忘れないようにしましょう。
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