トイレのニオイを消すために芳香剤を買うスピーカーはいませんか?

問題の本質に気づき、解決策を促すのが説得型スピーチ。

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突然ですが、トイレのニオイが気になる時、あなたならどうしますか。ドラッグストアに走って芳香剤を買いに行く人は、ひょっとすると「説得型スピーチ」の大事なポイントを見逃している可能性があります。ニオイが気になったら、まずやるべきは便器の掃除。さらには床から壁までの拭き掃除です。スピーチで問題解決を訴えたいなら、根こそぎ問題の解消を目指す姿勢が必要です。

対症療法のような対策では本質的解決にはならない

説得型の英語スピーチは、問題提起とともに独自の解決策を示すことが求められます。どこかで聞いたことのある解決策ではなく、独自性のある新しい解決策というのは、なかなか思いつくものではありません。思いつかないからこそ、「とりあえずの解決策」でお茶を濁すスピーチが多く見受けられます。

たとえば、歩きながら携帯を使う「歩きスマホ」の問題提起をしてみましょう。次のような解決策はどうでしょうか。

  • 歩く速度を落とそう!
  • Bluetoothイヤホンは外そう!
  • 前が見やすいようにスマホは高い位置で持とう!
  • 歩きスマホ同士がぶつからないアプリを開発しよう!

これらの解決策は、一見すると歩きスマホが引き起こす問題を「回避できそう」です。でもよくよく考えてみれば、「ながらスマホ」という問題の本質(注意散漫になるリスク)は何ら解決されていないことに気づくでしょう。言い換えれば、その場しのぎの一時的な問題回避であり、まさに対症療法的な解決策です。

歩きスマホの問題を根本から解決するには、やはり「歩くときにスマホを使うのをやめてもらう」ことが必要です。にもかかわらず対症療法的な解決策になってしまう理由は、問題の本質が見えていないか、問題の本質から目を逸らしているかのどちらかです。

トイレのニオイが気になれば、芳香剤を置いたり、窓を開けて換気したり。いずれもその瞬間には有効な対策です。でも目の前の便器を完全にキレイにしない限り、また新しい芳香剤を買いに行くことになります。本質的な解決策を示さない限り、問題は解決しないのです。

本質的な解決策にこだわる姿勢が話者の信頼を生む

本質的な解決策を探るのは、説得型スピーチの社会問題に、真っ向から勝負することを意味します。「ながらスマホ」の解決策は、公共広告で「ながらスマホをやめましょう~」と訴えるよりも、身近な親友に、その場で「危ない!やめな」と言われる方が、はるかに効果的です。

なぜそれが効果的かといえば、誰しも、友達からそんな注意をされるのは稀だからです。耳の痛い忠告を受けると一時的に気持ちが沈むかもしれません。でもその一言のおかげで、街中でクルマや電車との接触事故を避けることができるのです。

本気で解決策を探す姿勢に、聴衆は共感を覚えます。共感は信頼の源です。説得型の英語スピーチに挑戦する人は、何となく響きの良い「その場しのぎ」の解決策ではなく、多少キツい響きになっても、根本的な解決策を示す姿勢を忘れてはいけません。

解決策を考えるのは、日々の習慣です。トイレに入るたび、本質的な解決策の重要性を思い出してください。もし便器を掃除してもニオイが取れなければ、次はマット、その次は壁紙、さらにはドアの掃除まで、徹底して本質的な解決を目指さなければなりません。

本質を見極めて、それを貫く姿勢が、説得型スピーチの成否を分けるのです。次に説得型スピーチを発表する際は、「これで根本的な解決になっているかな?」と自分に問いかけてみてください。意外なヒントが、いつもの日常生活に転がっているかもしれません。


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