Q. スピーチコンテストのアイコンタクト、審査員はどこを見ているか

「コンテストで審査員にどうやってアイコンタクトをすればいい?」

student

Question ▶ スピーチではアイコンタクトが大切であることは分かりました。審査員にアピールするには、積極的に審査員を見た方が良いですか?

shimizu

Answer ▶ コンテストで審査員ばかりを見るのは逆効果です。聴衆全体を見渡す流れのなかで、自然に審査員を見てください。時折「ここぞ」という場面で審査員の目を見るのは効果的です。

コンテストでの審査員は聴衆の一部、自然な目配せを。

スピーチコンテストでの発表は緊張しますよね。特に「審査員とどうアイコンタクトを取れば良いんだろう?」と悩む方は多いのではないでしょうか。ただ、ずっと審査員を見るのは逆効果です。審査員は聴衆のひとりに過ぎません。そのデリバリー(発表技法)に特別な意図が無い限り、審査員にアイコンタクトを送り続けるのは「不自然」だと認識しておきましょう。

スピーチコンテストの審査員は、思いのほかスピーカーの様子を見ています。名前が呼ばれて壇上に向かう時の姿勢や、演台で聴衆と向き合ったときの表情、そして一連のジェスチャーなど、話者の何気ないボディ・ランゲージをしっかりと感じ取るのが審査員という存在です。

そんな中、スピーカーが審査員を中心にアイコンタクトをとっていたら、審査員はどう感じるでしょうか? 少なくとも、そのデリバリーは「自然」ではありません。むしろ、何か審査員に媚びているようにさえ感じられるでしょう。

審査員はあくまでも聴衆の中に「たまたま存在している人」にすぎません。通常であれば、全体に目配せをする中で、時折「審査員ともアイコンタクトが合う」というのが自然な姿です。話者が審査員を見ていない時でも、話者が「誰かと」アイコンタクトをとっていることは把握していますし、それは適切に審査に反映されています。安心してください。

「ここぞ」という山場でこそ、審査員にアイコンタクト!

スピーチには、山場があります。問題を鋭く指摘する場面や、新しい解決策を提示する時など、「ここぞ」という瞬間に、審査員にしっかりアイコンタクトをとって訴える、というやり方はアリです。なぜなら、それは「たまたまその時に審査員に目が行った」とも解釈でき、発表態度の自然さに悪い影響を与えないからです。

大切な場面で審査員とアイコンタクトを取るというのは、ある意味では度胸が必要かもしれません。でもそれができれば、その瞬間の大切なメッセージがしっかり審査員に届くはずです。わざとらしくならないよう、あくまでも自然な流れの一部として、練習をしてみてください。

このような説明をするのは、意外にも、ずっと審査員を見ている(あるいは見ようとする)スピーカーが存在するからです。審査員も人間ですから、ずっとスピーカーと「にらめっこ」をし続けるのは気が引けます。結果的に、せっかくのアイコンタクトを審査員から切られてしまう原因にもなりますので、審査員へのアイコンタクトは程々にしてください。

繰り返しになりますが、アイコンタクトはムラなく聴衆全体に送る。これが鉄則です。審査員は聴衆の一部ですから、その鉄則のもとで、時折審査員にも目配せをする。そんなバランスが自然で美しく見えます。特に、緊張してアイコンタクトが固まってしまいがちな人は、審査員に対して視線が固まらないよう注意しましょう。

ただし、例外があります。それは「質疑応答の場面」です。質疑応答では、しっかり質問者(審査員)を見て、話すことをお忘れなく。すべては「自然であること」が大切なのは、スピーチも質疑応答も同じですね。


▶ 関連記事:聴衆とのアイコンタクトが怖い時は椅子の間を見る [リンク]

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です