スピーチコンテストの審査に勝ち残る!絶対評価と相対評価の舞台裏
「絶対的な実力」と「相対的な印象」を示す確信を持つ

英語スピーチコンテストやプレゼンコンテストで入賞を狙うプレゼンターの皆さん! コンテストの審査では「絶対評価」と「相対評価」の二段構造を勝ち抜く必要がある、という現実を知っていますか。大会審査におけるふたつの評価プロセスを理解し、最後の審査で最終候補に残るためのヒントについて、審査員の目線で考えてみましょう。
絶対評価のポイントは、確かなコンテンツと豊かなデリバリー。
スピーチコンテストにおける審査は、基本的に絶対評価です。それぞれの発表が、各大会の審査要領に基づいて個別に審査され、その成績が点数化されます。一方で、最終順位を決める際には、各スピーカーの絶対評価を基準として、順位付けがなされます。つまり最終的には相対的な"評価"を乗り越えなければ入賞することはできません。
それぞれの大会によって違いはあるものの、英語弁論大会の審査基準は概ねコンテンツ(内容)とデリバリー(発表技術)の両面によって構成されます。全国規模の大会では、多くの場合、コンテンツに重点を置いた配点になっています。これは、スピーチ(弁論)を競うコンテストとしてはごく自然なことです。
絶対評価においては、まずコンテンツとデリバリーの領域ごとにいくつかの審査分野が設定されていて、それぞれに配点があります。さらに細分化された詳細な審査項目が設けられることもあり、これらをひとつづつ詳細に採点する場合もあります。
審査方式に違いはあっても、絶対評価の審査においては、各スピーチの絶対的な実力レベルが正確かつ公正に記録されることになります。コンテンツを磨いて練習を重ね、苦手な発音をマスターしながら語りを身につければ、この絶対評価の審査スコアは、着実に伸ばすことができます。
発表時の印象を強く残す「確固たる自信」の重要性
審査自体は絶対評価なのですが、コンテストには自分の前や後のスピーカーが必ず存在します。これが、コンテストならではの、勝利の難しさや複雑さを生み出すことがあります。
審査員はプロですから、話者がどの順番で発表しようとも、一人ひとりのスピーチを厳正に審査し、正確に記録を残します。一方で、会場の雰囲気や緊張感、前後のスピーカーのトピックや空気感は、そのスピーカーの印象に少なからず「影響」を与えます。
もちろん審査は常に公正であり、かつ「影響」という審査項目はありませんから、その肌感覚的な印象が審査結果に直接影響を及ぼすことはありません。しかし、最終審査会での順位決定の際、もし上位が同点や僅差であった場合には、この肌感覚的な「印象」が審査員のコメントとして提示され、結果として入賞を左右する決定打となり得るのです。
実際、全国規模のスピーチコンテストの本選となると、絶対評価ではほとんど差がつかないほどに、どのスピーカーも非常に優秀です。そうなると、最終協議の際に「審査員に思い出してもらえる印象」を残すことに意味が生まれます。つまり、自分のプレゼンに確固たる自信を持ち、堂々と発表をすることが極めて重要になるわけです。
自分がどれだけ練習を重ねて最高のプレゼンを発表しても、たまたま他の出場者に強敵がいた場合には、相対的に順位が下がってしまいます。これはあらゆる大会に当てはまる宿命です。だからこそ、常に「自分がこのコンテストの最終かつ最高のスピーカーである」という自信を持ち、胸を張って発表することをお勧めします。その自信が会場全体を巻き込むオーラとなり、聴衆にも、審査員にも、優れた印象を残します。
スピーチコンテストでの入賞者は、この絶対的評価と相対的評価の両方を乗り越えた勇者です。その栄冠を勝ち取るためには、最後の決め手である「堂々とした存在感」の大切さを、常に忘れないでください。