8分割用紙(2)|スピーチテーマを絞り出したその先に斬新な発見がある

普通以上のレベルまで絞り出して初めて味わえる深みに気づく

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説得型スピーチのテーマを考える最初のステップは「8分割用紙」を埋めることです。そこで大切なのは、3つか4つのテーマを書いたところで諦めないこと。8分割用紙は、その名の通り「8つのテーマ候補」を書き出すことに意味があります。ここでは、8分割用紙の説明「その2」として、その理由について、考えてみます。

普通の絞り方では満足せず、さらに深く深く考える。

過去記事「8分割用紙|説得型スピーチに最適なテーマとは何かを議論する土台」では、テーマの在庫が底をついても、何とかがんばって8つを埋めることが大切だと書きました。

同記事ではその理由について細かな説明は省略しましたが、無理してでも8つを埋めるべき理由は、テ0マの候補が枯渇して「もう無理」と感じてから更にアイデアを絞り出すプロセスの中で、今まで見えていなかった社会の側面が現れてくる(すなわち「斬新なテーマ」に出会える)からです。

新鮮なオレンジを絞って、ジュースにするプロセスを思い浮かべてみましょう。普通なら、ある程度 果汁が絞り出されたところで絞るのをやめます。なぜならそれが「一般的なオレンジジュース」だからです。

しかしそこで手を止めずに絞り続けるとどうなるでしょうか。すると、オレンジの皮の成分まで絞り出されて、ジュースには渋みが出てきます。恐らく、日頃からそんな渋いオレンジジュースを飲んでいる人はいないはずです。

普通の絞り方を超えると、普通の人が体験しない味が生まれる。当たり前のことです。でもこの「当たり前」は、当たり前すぎて見逃される価値観でもあります。説得型スピーチにおいて、「人とは違うテーマで勝負する」のは、勝利の原則です。この「違い」は、テーマを深く考えるという時点からスタートするのです。

あなたが普段見ているものは、誰もが見ている平凡なもの。

優れた説得型スピーチは、社会に何らかの「新しい価値観」を訴えるものです。そのための「テーマ」は、当然に「新しいモノの見方」を与えるものでなければなりません。

8分割用紙の作業において、簡単に思いつく最初に2~3個のテーマは「誰もが思いつくテーマ」である可能性が高いです。いわば先ほどの「普通のオレンジジュース」といったところ。そこから5つ目、6つ目と候補の検討を進めるにつれ、もっとしっかり社会と向き合い、社会問題を掘り起こす必要性に気づきます。

つまり「8分割用紙」は、後半に進むにつれ、他とは毛色の異なるテーマが登場したり、聞いたことのないテーマが登場するわけです。時に「投げやり」にテーマを埋めることもあるかもしれませんが、それでさえ、普段は見逃してるポイントを突いていることがあります。ここが8分割用紙の面白いところです。

説得型スピーチのテーマを考える際には、まずは最低8種類。社会としっかり向き合って、枠を埋めてみてください。これ以上絞り出せないと感じたところから、いよいよ渋みのある、ユニークな話題が登場するタイミングです。

良薬は口に苦し。渋くて苦いオレンジジュースは万人は好みませんが、スピーチコンテストでは聴衆に効く薬になる可能性があるのです。


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