スピーチやプレゼンでマイクを使う時には音響機器を頼り過ぎないように
マイクは「そのままの声」を大きくする怖さがある

小さな会議でない限り、スピーチやプレゼンテーションの発表にはマイクがつきものです。「マイクがあるから小声でも大丈夫」と思っていると、小さな声が会場に大きく響きます。マイクを通じて心地よい声を出すには、マイクコントロールに慣れることが大切です。音響機器に頼り過ぎると思わぬ音声トラブルにつながります。
マイクに頼らない声を鍛えておくことが基本
私の研究室のゼミ生が学外大会に出場すると、必ず褒められるのが「声」です。これは「声の大きさやツヤ感があってこそのスピーチ」という考え方を基本として練習を重ねているからです。
会場にマイクがある場合、それは「たまたまマイクがあるだけ」で、それを頼りに発表するのはあまり感心できません。スピーチコンテストの審査員をしていると、元々の声がとても小さい発表者を見かけます。逆に、マイクの前で大きな声を張り上げる発表者もいて、マイクコントロール(mic control)の難しさを感じます。
プレゼンターが身につけるべき声は「プレゼン用の声」(presentation voice)です。大きすぎず、小さすぎず、聴衆にとって聴き心地の良い声を出す練習をすることが何より大切です。
マイクは「声の欠点」を拡大する鏡!
マイクは便利な音響機器ですが、その便利さの陰には怖さもあります。言い換えると、マイクは「自分の声をそのまま大きくする機械」だということです。もし自分の声にあまり自信が持てない場合、その自信の無さが大きく拡大されるという怖さがあります。
小さな声の人がマイクの前で話をすると、マイクのおかげで「聞き取れる程度の音量」の声になります。しかし、その時の声は、元々の小さな声が「そのまま大きくなった」音でしかありません。要は、「私は小さな声が欠点です」とわざわざ伝えているかのような音響になってしまうのです。
マイクを頼らず、まずは声のトレーニングを繰り返し、「マイクがなくても大丈夫」と言えるレベルまで、自分の声を磨きましょう。
マイクが故障してもスピーチの言葉を止めないために
マイク(あるいは関連する音響機器)は、あくまでも機械ものですから、電池切れやワイヤレスの不調、ケーブルやミキサーの不具合など、様々なトラブルによって突然動作しなくなることがよくあります。
私自身も、これまでのプレゼンや講演会などで、マイクが突然壊れた経験が何度もあります。そんな時、私はマイクを忘れて、そのままの生の声で、遠くの聴衆までメッセージを伝えきるようにしています。そうすることで、音響トラブルを乗り越えて、逆に聴衆との距離を縮めることができるからです。
とはいえ、マイクがいきなり故障すれば誰でも焦りますよね。そんな緊急事態でも、堂々とプレゼンを続行できるようになるためには、日頃から自分自身の声に自信が持てるように練習することが欠かせません。
私のお勧めは、プレゼンの時「だけ」でなく、日頃のミーティングやクラス発表でも腹式呼吸を意識して、とにかく「1割大きな声を出す」ことです。ぜひ、実践してみてください。美しい"Presentation Voice"は、日頃の心掛けから生まれるものです。
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