Q. 書きやすい英語スピーチのテーマ探しは、バズる話題を選ぶと簡単?

「いま話題のテーマを選ぶとスピーチは書きやすくなる?」

student

Question ▶ スピーチのテーマを選ぶ際、ネットニュースやSNSで話題になっているものにすると、スピーチは書きやすくなりますか?

shimizu

Answer ▶ 「書きやすさ」という観点であれば、正解です。ただ、それが聴衆にとって聴き応えのある「本当に優れたテーマ」かどうかは別問題。バズる話題は「皆が同じ話をしがち」という傾向を覚えておきましょう。

英語スピーチの最初の一歩として、SNSの話題はアリ。

スピーチづくりは、テーマを検討することから始まります。良いテーマを探し当てることができれば、それだけでスピーチの準備はスムーズに進みます。ネットニュースやSNSのトレンドを反映したテーマは、誰もが知る共通の話題を投げかけることができるという点で、書きやすいテーマではあります。

ここでいう「書きやすさ」とは、テーマに関する素材の集めやすさのことを指します。スピーチを書くためには、関連する出来事やニュース、統計や調査結果、自分自身の経験などを集めて、原稿に織り込む必要があります。いわゆる「バズっている」テーマであれば、話の素材は自然に集めやすくなり、スピーチは「書きやすく」なるでしょう。

でもちょっと待ってください!そのような「書きやすい」テーマは、本当に優れたテーマでしょうか。バズる話題をとりあげる場合、クラスでスピーチを発表する際に、自分より前に発表する友人が自分と同じ話題でスピーチをする可能性が高まりませんか? 単に「書きやすい」だけを基準にすると、「新鮮さ」に欠けるスピーチになるリスクがあるのです。

テーマの「バズり度合い」は「独自性」とは一致しない。

全国予選を経て選抜されたスピーカーが集うスピーチコンテストでも、稀にテーマが「かぶる」ことがあります。複数のスピーチのテーマが重複してしまうと、そのスピーカーにとっては何のメリットもありません。スピーチは、「書きやすさ」以前に、まずは独自性を確保することが大切です。

独自性とは、簡単にいえば「他の人と違うこと」です。同じ発表会場で顔を合わせる他のスピーカーが選ばないと思うテーマを選ぶ。それが独自性を確保するための第一歩です。

聴衆の気持ちになってみれば、スピーチの独自性とは、バズる話題かどうかではなく「新鮮な話題」だったかどうかが決め手になります。スピーチコンテストで準備される審査用紙には、"originality" (独自性)という評価項目がありますが、「バズる話題」と「独自性」は相反することが多いという事実は覚えておきましょう。

そう考えると、スピーチはやっぱり「お客さんのために発表するもの」です。ネットで話題になっているトピックではなく、「あなただからこそ話せる話題」で聴衆を楽しませてください。


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