Q. スピーチコンテストの準備や練習がしんどいのでやめたい
「思ったよりも練習が大変なので、スピーチをやめてもいい?」

Question ▶ スピーチコンテストに挑戦してみようと思ったのですが、原稿を改訂したり練習をするのがしんどいです。やめてもいいですか?

Answer ▶ コンテストに向けた練習は楽しいことばかりではないですよね。本番直前でなければ辞退するのは自由です。やめる判断はいつでもできますから、ぜひ人生における大会挑戦のメリットについても考えてみませんか。
「しんどさ」がどこから来るのかを考えてみる
コンテストに向けて何かを努力するのは、スピーチコンテストに限らず、体育会系でも芸術系でも、それなりの努力が求められます。大会本番に向けた準備期間中に、大会挑戦への期待や情熱を、練習や訓練の「しんどさ」が上回る状態が続くとき、だれでも「やめようかな」と思うのは自然なことです。
大会直前であったり、学校や企業の代表として出場する場合を除けば、「やめる」という選択はいつでもできます。ですから、やめたいと思ったときには少しだけ落ち着いて「しんどさ」の理由を考えてみてはどうでしょうか。
大会に向けた原稿の改訂や、発音や発表技術の練習が「しんどい」場合、無理に上達を求める必要はありません。現状のレベルで大会に挑戦すれば十分です。もちろん、今以上の上達のために大会に挑戦するわけですが、大会挑戦に向けてどれだけのリソース(時間や労力)を割けるかは、本人の価値観(ひいては生き方そのもの)だからです。
学生として挑戦をする場合、先生の指導が厳しかったり、一緒に練習をする仲間の熱量が高すぎて練習が「しんどい」と感じることもあるでしょう。そんな時は、率直にその気持ちを共有してみてください。先生も仲間も、あなたの成長を願って共に努力していますから、残念だと思われるでしょうが気持ちは理解してくれるはずです。
コンテストには「出場した人にしか見えない景色」がある
理由はともあれ、コンテストへの挑戦をやめるのは、少しもったいないことです。なぜなら、コンテストや大会というものは、出場した人にしか見えない景色があるからです。「ステージで語りきった達成感」や「厳しい練習を通じて身についた表現力や説得力」など、それは単に「経験」という言葉では整理できないほど大きなものです。
練習が行き詰まり、予選や本選で思った結果が出せないという不安も、練習が「しんどい」と感じられる一因でしょう。そんな時こそ、現時点で出せる最善のパフォーマンスを残せば十分です。もし思うような結果が出なかったとしても、誰もそれを気には留めません。大切なのは、本人が挑戦したという事実と、そこから得られる経験だからです。
残念ながら、予選では応募した多くの人が落選します。これは「応募者数と本選出場者数」を冷静に計算すればごく自然の結果であり、決して恥ずかしいことではありません。むしろ、コンテストに向けた一歩を踏み出したこと自体が素晴らしい挑戦であり、結果を心配して「しんどい」と思う必要もありません。
スピーチやプレゼンのコンテストに向けた挑戦は、究極的には「自分の成長のため」です。可能な範囲で、大会に挑戦する経験を積んでみることを願っています。
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