コンテスト予選前と本選後に練習しようと思えるかが話者の本気度を示す

「思う」だけでなく「行動」で示す姿勢を持ち続けられるか

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初めてスピーチコンテストに挑戦する時、あるいは本選で入賞を逃した時、誰でも心新たに「がんばろう」という気持ちになります。それは素晴らしいことですが、「予選通過が決まる前」や「本選が終わった後」に、その気持ち持ち続けられる人は果たしてどれほどいるでしょうか?上達のための努力は、継続できなければ自身の成長の糧にはなりません。

目標を定めて練習計画を立てたら「きちんと実行する」

私はこれまで本当に多くの学生を相手にスピーチを指導してきました。学生の特徴は様々ですが、そこに共通するのは「予選通過が決まる前」と「本選が終わった後」に、真剣に練習に打ち込む学生がとても稀であることです。

ESS(英語研究会)のスピーチセンクション等に所属していれば、いやおうなく「練習」に打ち込むわけですが、それでもその熱量が学生によってまちまちです。ましてや、そのようなサークルに所属していない学生は、彼らを練習に駆り出す(あるいは拘束する)根拠はありません。ここに大きな問題が潜んでいます。

スピーカーを目指す学生であれば、誰しも「スピーチがうまくなりたい」「発音が上手になりたい」と思うはず。本当にその気持ちを強く持ち、練習計画を立て、それを実際に日々の行動に移せるかどうかは、コンテストの結果やプレゼンの成果など、「最終成果物」に大きな影響を与えます。

その人の本気度は「予選前」「本選後」に表れる

本当に上達したいのであれば、コンテストとは関係なく、英語の「基礎力」(一般的な英語力や発音/表現力)を伸ばす努力をしているはずです。自分が苦手だと認識している領域があるなら、コンテストの出場うんぬんとは関係なく、大会応募以前から、それらを磨く努力をしなければいけません。

学生指導において、毎回と言っていいほど悔やまれるのは、貴重な準備時間の多くを「基礎的な発音や表現術」の指導に割かれてしまい、結果的に、もっと注力すべき「高度なデリバリー指導」の時間が取れなくなることです。この状況は「普段からの練習不足」によるものですが、結果的に誰の利益も生みません。

スピーチを本気で目指すのであれば、基礎的な発音やイントネーションの習得は「予選前」に完了すべきです。予選通過が決まってから「本気で」取り組んでも、それは「手遅れの本気」です。その程度の「本気」では、常日頃から一所懸命に練習してきているライバルに勝てるワケがありません。

同様に、本選が終わると練習を休む学生も非常に多いです。来たるべき「次の大会」に備えて練習を継続しなければ、次の大会で「予選通過」が決まってから練習を始めても、また手遅れの後悔が待っています。

最後は「意識と行動力」が強いスピーカーを育てる

つまりは、きちんと目標を立て、その瞬間から具体的かつ計画的に練習を継続的に実行し続ける学生が、いずれ成功を収めます。原稿作成が苦手なら、誰よりも多く改訂し、早く原稿を書き上げる努力をする。発音が苦手なら、誰よりも多く練習し、聞きづらい音を速やかに解消する努力をする。これに尽きます。

スピーチに取り組もうと思った時や、コンテストの本選で入賞できずに悔しい思いをした時こそ、スピーカーの本気が試される瞬間です。明日からの取り組みが、あなたの本気度を示す真の姿です。今後の活躍を信じて、実直に練習を続けてください。期待しています。


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