脱・省エネ英語! 口を大きく動かす「顔面フル活用型」プレゼン向け英語発音術

顔全体を動かして話せば、伝わる発音が一気に磨かれる!

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スピーチやプレゼンで、飛躍的に伝わりやすい発音を獲得する方法があります。それは顔面をフル活用して「とにかく口を大きく動かす」ことです。ボソボソと口を動かしている限り、本来スピーカーが持っているはずの伝達力は発揮されません。恥ずかしがらず、顔が崩れるくらいに顔面全体を動かして、口を開けてみてください。発音の明瞭さは一気に磨かれます!

発音記号よりも大切な明瞭さ(enunciation)

スピーチやプレゼンテーションのための発音には、「エナンシエーション」(enunciation)と呼ばれる「明瞭さ」が重要になります。エナンシエーションは、発音(pronunciation)の良し悪しとは異なり、その音が明瞭に伝わるかを示す指標です。コンテストによっては審査基準のひとつに位置付けられます。

日常の英会話では、それほど大きく口を動かして話す必要はありませんから、顔の筋肉の動きも限定的です。でもスピーチとなれば話は別。しっかりエネルギーを使って口を動かさなければなりません。日常的な「省エネ英語」では、せっかく練習した発音が、プレゼンで十分に発揮できないからです。

スピーチは日常の英会話とは異なり、話者の発音が聞き取りにくかった場合でも「もう1回言って!」とリクエストをすることができません。つまり、原稿に含まれる数百語の英単語や英語表現を、一度限りの一発勝負で聴衆に理解してもらう必要があります。大切なのは、発音の「美しさ」よりも「聞きやすさ」です。

発音の美しさよりも「ハキハキ感」を大切に

発音の美しさには個人差があります。これは日本語においても同様です。アナウンサーのように美しい発音で話せる人はそう多くありません。それでも日常的なコミュニケーションにおいては、誰かの発音に多少クセがあっても、私たちはその言葉を難なく理解することが出来ます。

しかし、たとえどんなにキレイな発音であっても、口ごもったような「モゴモゴとした話し方」や、腹話術のように「口の動きが制限されたような話し方」をされると、とたんに内容を理解するのが困難になります。この違いこそが「明瞭さ」の大切さを示しています。

ゆえに人前でスピーチやプレゼンを発表する際には、とにかく「ハッキリ明瞭に音を響かせること」を意識しましょう。明瞭さを高める練習をすることは、結果的に「あの人の発音は分かりやすい」という好印象につながります。これは、微細な発音の正確さにこだわるよりも、スピーチにおいては現実的かつ合理的な練習方法になります。

口の動きと声の豊かさを1.5倍にする練習を!

明瞭さを高める近道は、とにかく「クチを大きく開けて、大きく動かすこと」そして「声をしっかり出すこと」です。必要な発音(言葉の音)をつくる作業を「調音」といいますが、口の開きや動きが小さければ、本来必要な調音ができなくなります。同様に、声が小さければ、せっかく調音したものを響かせることができません。

明瞭さの感覚をつかむためには、まず「口の動きと声の豊かさ」を通常の1.5倍にする練習をしてみてください。これは、いつも小さなハンバーガーを食べる人が、ビッグマックを一口で頬張るような感覚です。日頃、経験したことのない「顔面の筋肉が総動員されるイメージ」で、やってみてください。

具体的には、鏡の前でスピーチ原稿をゆっくり読み上げて、「唇」の開き方や引っ張り具合、突き出し方、そして「アゴ」の開き方を普段の1.5倍くらいにしてみましょう。特に英語の母音(vowel sounds)を発音する際に、口の形が目に見えて変わっているかを確認すると効果的です。

そこまでやらなければダメな理由は、「このくらいで伝わるから」という甘えが日常会話で染みついてしまっているからです。スピーチは日常会話ではありません。小さな口の動きで効率的にメッセージを伝える「省エネ英語」とは違い、スピーチは「声を届ける」芸術です。明瞭さが命であることを常に意識してください。

この明瞭さの練習は、一周まわって、表情の豊かさをもたらす副次的な効果もあります。当然ながら、スピーチで伝わりやすい英語は、日常会話でも伝わりやすさが格段に上がります。ぜひ意識的に試してみることをお勧めします。

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