ジェスチャーを自然に見せる簡単なコツは指先に力を入れないこと
日常生活で見かけないジェスチャーはスピーチでも不自然

スピーチやプレゼンでジェスチャーをする時に、気を付けることはひとつ。それは「指先に力を入れないこと」です。これだけを守れば、意図せずジェスチャーが大きく出てしまっても、不自然さが際立つことはありません。大切なのは、あらゆるジェスチャーが常に「自然に見えること」にあります。
指先が真っすぐ伸びるほどジェスチャーは目立つ
日常生活において「身振り手振り」で誰かに話をする時、あなたの指先はピンッと伸びているでしょうか?おそらく、トップ画像のように「中途半端」な指の伸び方をしているはずです。この指の形がジェスチャーにおける基本と覚えておきましょう。
著書『すぐに使えるビジネス英語スピーチ100』では、優れたジェスチャーとは「後から思い出せないほど自然なもの」(p. 45)だと説明しました。つまり、日常生活で使わないような「手がピンと伸びたジェスチャー」をスピーチで使えば、それは不必要に目立つ「不自然な動作」として聴衆の記憶に残ります。
ジェスチャーをする際には、まずは指先に力を入れないこと。たったこれだけで、スピーチやプレゼンテーションで不自然なジェスチャーをしてしまうリスクを大幅に削減できます。
そもそもジェスチャーが必要かを考えるきっかけに
スピーチやプレゼンではジェスチャーを付けて当然、といった論調が多くの場所で見られますが、それは必ずしも正しくない、というのが当研究室の考え方です。その理由は、ジェスチャーは「意識して付けるもの」ではなく、「自然に付くべきもの」だからです。
「どうやればこのジェスチャーは自然に見えるかな」と考えることは、聴衆への愛情を示す素晴らしい配慮です。その際、根本的に「そもそもこのジェスチャーは必要かな」という次元で、ジェスチャーを考え直してみてはいかがでしょうか。
スピーチコンテストでは、まさに「ここでジェスチャーを付けよう」という意思のもとで「付けられたジェスチャー」を見かけることがありますが、完全に自分自身の自然なジェスチャーとして定着しない限り、ジェスチャーは無い方が「自然」です。
ジェスチャーの有無はプレゼンの優劣に直結しない
ジェスチャーで悩む学生の話を聞くと、「ジェスチャーを付けるのが普通だから」「皆がジェスチャーをしているから」といった言葉を耳にします。悩む気持ちはとてもよく理解できますが、こうした悩みがある時点で、既に「ジェスチャー」が話者の重荷になっているのではないでしょうか。
安心してください。ジェスチャーは無くても構いません。私の研究室の学生は、全国のあらゆるコンテストで入賞を続けていますが、限りなくジェスチャーを付けない学生であっても、問題なく入賞をしています。
多くの場合、ジェスチャーそのものには本質的価値はありません。何が「メッセージの本質」を伝えるために必要かを考えるのも、聴衆への愛情です。ジェスチャーで悩む時間があるなら、メッセージの「語り」を磨くことに時間を費やすことをお勧めします。
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