【 Show and Tell 】現物を見せる話術からパワポのプレゼンを改善する

聴衆の注目と視線を誘導する特性をプレゼンテーションに生かす

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プレゼンといえばパワーポイントを使うのが当たり前、と感じてはいませんか? 何かを見せながら話すプレゼンの原点は、"Show and Tell"にあります。ショウアンドテル(Show & Tell)とは、その名のとおり何かを手に持って見せて(show)、それについて話すこと(tell)です。皆がパワポを使う時代だからこそ「現物を見せる強さ」を考え直してみませんか。

「本物がそこにある」という絶対的な強さと安心感

Show & Tellの基本は、聴衆に何かのモノを見せて、それを説明することです。手元に現物があるというのは、聴衆の注目を集めるうえでとても心強い味方になります。"This is ~"という説明は、通常のパワーポイントを使ったプレゼンでもよく使いますが、現物が手元にある場合の"This"には、圧倒的な強さがあります。

最近は、パワーポイントを使ったプレゼンが一般的になり過ぎて、本来のShow & Tellの魅力が忘れられているように感じます。パワポを使ったプレゼンでも、肝心なところで「現物を見せながら、聴衆のほうに歩み寄ってみる」ということもできるはず。歴史あるShow & Tellに学ぶところは多いのです。

Show & Tellで何かを見せる場合、小さすぎては見えませんし、大きすぎては準備ができません。つまり「聴衆に見てもらいやすい」という範囲で、おのずと「現物」に制約が設けられます。この制約は、実はプレゼンテーションにおける「聴衆分析」(audience analysis)の役割を果たしています。つまり、Show & Tellでは計画段階から、すべてのお客さまに対して「見やすいかな」「説明しやすい内容かな」を第一に考える配慮がなされているわけです。

一方、パワーポイントを用いたプレゼンの場合はどうでしょうか。お客さまからの「見やすさ・聞きやすさ」を、何より最優先しているでしょうか? 自信を持って肯定できる人は、案外少ないかもしれません。何でもスライドに入れてしまえば「見てもらえる」というように思う人もいることでしょう。Show & Tellの配慮には学ぶべきことがありそうです。

Show & TellとPowerPointスライドを連動させよう

そこで提案です。PowerPointを使ったプレゼンだからこそ、「ここぞ」という大事なところで、現物を使ったShow & Tellをとりいれてみてはいかがでしょうか。

パワポプレゼンとShow & Tellを融合する際のポイントがふたつあります。まずは、スライドの画像とShow & Tellの現物の画像を一致させること。そして、現物の特定の部位を指さすときには、その拡大画像がスクリーンに投影されるように、それぞれあらかじめ準備しておくことです。

たとえば、新しいノートパソコンを紹介するプレゼンであれば、聴衆に現物を見せながら、スクリーンにも同じ写真を出します。また、ノートPCの特定の場所やボタンを示す時には、スクリーンにその拡大写真が表示されるようにします。これにより、現物と細部の両方をリアルタイムに確認することができます。

こうすることによって、本来のShow & Tellでは難しかった「小さすぎるもの」のプレゼンが可能になります。逆に、プレゼンで扱う商品がとても大きなもの(例えば機械や住宅、車など)の場合には、それを象徴するパーツを手に持って説明しつつ、背後のスライドにはその全体像を示す、といった使い方もあるでしょう。

どれだけキレイにデザインしても、PowerPointのスライドはバーチャルなビジュアルです。時折、現物を使った「Show and Tell」の説得力を応用してみてください。きっと、スピーカーの存在感が格段に上がるはずです。パワーポイントを使ったプレゼンが主流の今だからこそ、現物を見せるShow & Tell本来の価値を再認識してみましょう。


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