【 皮肉 】英語スピーチではデータ相互にケンカをさせる矛盾で説得力が高まる
論証データの矛盾を見逃さずに指摘する姿勢を持とう

英語スピーチでは論証のプロセスが欠かせません。その際に様々なデータや事実を引用しますが、その際に注目すべきポイントが「データの矛盾」を指摘することで生まれる「皮肉」です。データとデータにケンカをさせることで、論点の根深さをアピールすることができます。
皮肉は「客観性を伴った問題提起」になる
スピーチの論証プロセスでは、自分の論点を補強するためのデータを引用します。その際、単にデータを紹介するだけでなく、データ自身の矛盾を突き、それを皮肉へと高めることができれば、話者の論点を際立たせることができます。
たとえば、増加するゴミ問題を訴えるスピーチにおいて、テレビニュースのひとコマを引用するとします。百貨店前の街頭インタビューで「増え続けるゴミの問題をどう思いますか」と尋ねる記者に対し、通行人が「確かに問題ですね」と答えたとしましょう。
その瞬間、その通行人が手にしているのは、包装紙に包まれ、紙袋に入れられ、さらにはビニールのカバーまで掛けられた「買ったばかりの商品」だとします。これこそが、意識と現実の矛盾が皮肉になる瞬間です。
スピーチでこの現実を描写すれば、「問題意識を持っているのに、日常生活での危機意識につながらない」という問題の本質を、強力かつユーモラスに指摘することができるわけです。皮肉は、嫌味ではありません。現実を矛盾する角度から描写する正統派のテクニックです。
まずは「矛盾」に気付くための意識を高める
上記の百貨店の例は、一見すると見逃しそうな「よくある光景」です。しっかり観察をしないと、データや現状の中に「皮肉」の元となる矛盾に気付くことはできません。
実際の事例を紹介しましょう。女性にとっての「真の美しさ」を訴えた、2017年の「青嵐杯大学生英語弁論大会」で3位に入賞したゼミ生のスピーチに、以下のような言葉がありました。原文を引用します。
According to a survey by ~ in 2015, the prime concern of young women in their 20s is about how beautiful their skin is. But these same women also answered that the beauty in their 50s would be represented by healthy, inner charm that would not be realized by makeup. While we care too much about our appearance, haven’t we forgotten to appreciate the genuine inner beauty that we all have?
太字部分の言葉「そう答えた同じ人たちが、50代の美しさには化粧では叶えられない内面の美があると信じている」が強烈な皮肉になっていることが感じられますか?さらには、これが「同一のデータソース」の中で相反する問題点を示している点が、その皮肉レベルを上昇させています。
データを引用する際には、矛盾を指摘できる点がないかを探す。あるいは、皮肉を演出できる他のデータを探す、といった姿勢が大切なことが理解できるでしょう。
「皮肉」が生み出す説得力は、時にユーモアを生み出し、聴衆の心にしっかりと爪痕を残します。自分のスピーチやプレゼンに応用できると思われる時には、ぜひ実践してみてください。

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