プレゼンターがPCの壁紙を白無地にする理由
聴衆が最初に見るのはスライドではなく壁紙

ノートPCをプロジェクタに接続すると、最初にスクリーンに映るのはパソコンの壁紙です。聴衆から見れば、発表者の第一印象を決めるビジュアルは、タイトルスライドではなく壁紙です。特に、順番に発表者のPCを繋ぎ変えてプレゼンするような場面では、各発表者のユニークな壁紙が次々と披露されることになります。
聴衆に余計な先入観を与えない白無地の壁紙
白無地の壁紙は無味乾燥。何の色気もありませんが、PC接続時にスクリーンに投影されてもプレゼンに何の影響も与えないという優位性があります。発表者のPCを接続した際に壁紙画像が表示されると、聴衆は「なぜこの壁紙を選んだんだろう」「こんな趣味があるのかな」などと無意識に考えてしまいます。それに続いてタイトルスライドが投影されるわけですが、その時点ではまだ先ほどの壁紙が聴衆の記憶に残っています。これが、プレゼンの第一印象を壁紙に奪われるリスクです。
壁紙が投影されてしまうのは数秒から数分程度ですから、多くの場合、気にするほどのことではないかもしれません。ただ、気にする人がいる可能性がある限り、プレゼンを邪魔するあらゆる要素は排除したほうが安全です。
セカンドスクリーンは「複製」ではなく「拡張」を選ぶ
壁紙以前の問題ですが、PC接続時に自分のデスクトップ画面やポップアップ通知をプロジェクターで惜しみなく公開してしまう人もいます。これは外部ディスプレイ(プロジェクタ)を接続する際、[複製]モードで表示していることが原因です。プレゼン用のプロジェクタに接続する時は、[Windowsキー]+[P]で画面表示設定を開き、[拡張]モードを選んでおけば、ラップトップ上のアイコンは表示されず、まっさらなデスクトップ画面と壁紙だけがスクリーンに投影されます。
聴衆はプレゼンを聞いてもらうお客さまですから、話者の好みの画像や普段使いのアプリアイコンなどのプライバシーをわざわざ披露する必要はありません。壁紙を含むデスクトップ画面がプレゼンの内容と関連していて、それを事前に見せることで聴衆の興味を高められるような例外的ケースを除いては、余計なものは聴衆に見せない方がプレゼンの世界観を維持しやすいはずです。
かつては、黒やグレーの無地壁紙を試したこともあります。PCを接続した際、黒無地だと「プロジェクタが壊れたか!」と主催者を焦らせた経験があり、またグレーだと会場の空気がどんより暗くなりました。白無地の壁紙は、お客さんの顔を明るく照らす効果もあります。推しのビジュアル壁紙よりも効果的。ぜひお試しください。