Q. 発表原稿|英語で書く?日本語で書く?

「スピーチ原稿をいきなり英語で書くのはハードルが高いです」

student

Question ▶ スピーチの原稿は、やっぱり最初から英語で書くのが良いでしょうか。最初は日本語で原稿を書いて、それを翻訳サイトなどで英語に訳すのではダメなんですか?

shimizu

Answer ▶ まずはできる範囲で、最初から英語で書き始めてみるのがいいですね。なにも背伸びする必要はなく、自分ができるレベルの英語で充分。その言葉に価値があるんです。後から翻訳サイトの力を借りると、どこか他人の言葉のように響くことがありますよ。

自分らしい言葉運びで自分らしいスピーチを

スピーチにしてもプレゼンにしても、発表原稿を作成するのはなかなか大変です。ましてや英語で、となると「まずは日本語で書こう」という気持ちもよく分かります。

本当に英語が苦手で文章が書けないという場合には、日本語で草稿を作成してから英語に翻訳するのは合理的な選択です。でも英語がある程度書ける人であれば、まずは英語で書き始めてみることをお勧めします。言葉がたどたどしかったり、こなれた英語表現ではないかもしれませんが、そこにこそ、あなたの人柄が感じられるものです。

人それぞれに、そのひとの口ぶりや言葉遣いがあります。それは英語の発表原稿も同じで、画一的な翻訳を充てるよりも、多少つなたくても、元々の言葉の方が輝きがあるものです。最初は英語で書いてみて、その英文をAIの力を借りて添削・改善する。どうしても英語で表現できない部分があれば、そこだけ機械翻訳の力を借りる。このあたりから始めてみてはどうでしょうか。

誰かの借り物ではない「あなたの言葉」に価値がある

英語に自信がないうちは、恥ずかしさもあって自分の英語で原稿を書くのにためらいがあるでしょう。でも皮肉なことに、次第に英語が上達するにつれ、そうした初心者の英語スピーチには、自然と「誠実さ」というアドバンテージが備わっていることに気づきます。ぜひ自分の言葉に自信をもって、まずは英語で書き始めてみませんか。その経験が、今後の上達の支えになります。

余談ながら、企業やプロジェクトチームを代表して発表するフォーマルなスピーチや営業用プレゼンテーションの場合は、少々事情が異なります。そこでは文脈に応じた英語表現の適切さ(appropriateness)が求められるからです。その場合は指導的立場の人と共同で原稿を作成するのが望ましいですが、それでも発表者の人柄が感じられる言葉づかいは大切です。

どんな時でも、まずは自分の英語で表現してみる気持ちを忘れないでください。AI時代にあっても、人の言葉の温かさは、他には代えられない価値があります。

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