Q. 英語スピーチとプレゼンテーションの違いを理解すると発表がうまくなる
「そもそもスピーチとプレゼンテーションの違いは何ですか?」

Question ▶ プレゼンテーションとスピーチの違いって何ですか?パワーポイントを使うかどうか、という感じでしょうか?スピーチはプレゼンに比べて地味な印象があります。

Answer ▶ プレゼンは「PowerPointのあるスピーチ」と理解してはどうでしょうか。英語ではどちらも"presentation"と呼びます。単にパワポを使えばプレゼンになると考えるのではなく、「スピーチの基本」を習得したうえでプレゼンに取り組むと、さらに説得力は高まります。
スピーチ(メイン)+パワポ(視覚支援)=プレゼン
プレゼンテーションでよくある失敗に、パワーポイントのスライド作りにこだわりすぎて、発表者のメッセージを伝える練習が不足するケースがあります。この失敗は、プレゼンが単なる「パワーポイント重視の説明」だという誤解に基づいています。
プレゼンはスライドが主役ではなく、基本的な「スピーチの語り」が土台にあってこそ成立します。その点において、スピーチとプレゼンは別物ではなく、「スピーチ(メイン)+パワポ(視覚支援)=プレゼン」という関係にあります。あくまでも、スピーチがメインであるべきものです。
英語スピーチは、何も視覚支援(visual aid)が無い状態でメッセージを伝える作業ですから、言葉や発表者自身が持つ説得力が成否を分けます。プレゼンは、いわば「たまたまそこにPowerPointという視覚支援が加わっただけ」のこと。パワポがあるからといってスライドに頼り過ぎると、プレゼンの印象は、単なる「説明」に留まります。
パワポがなくてもプレゼンが成立するかを意識する
パワーポイントを使ったプレゼンをする際、まず考えてみると良いのは「パワポが無くても伝わるか」という点です。「パワポありき」ではなく、スピーチの原点に立ち返って「語りによる説得力」の大切さを考え直そうということです。
優れたプレゼンは、語りとスライド(視覚支援)のバランスが絶妙です。基本的に、語りで説明できることはスライドには載せません。つまり、スライドには口頭で表現できない「視覚情報」のみが配置されることになります。これによって聴衆は、語りと視覚のバランスがとれた説得術に納得するわけです。
もちろん、口頭での説明をスライドで補助することもありますし、意図的に語りとスライドの文字列を連動させることもあります。大切なのは、「語りを支えるためのパワポ」であって、パワポがメインになることはありません。※画像提示が主題の場合を除きます。
スピーチとプレゼンは別物ではなく、どちらも同じスピーチの仲間です。「私はプレゼンだからスピーチは関係ない」と思わず、スピーチ技術の向上に努めてみてください。
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