PowerPoint|0枚目の「リードスライド」でプレゼン開始時の事故を防止する

1枚目のタイトルスライドの前に「0枚目」を準備する習慣を!

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拍手をもらってプレゼン開始!その瞬間、スライドが動かない失敗ほど恥ずかしいことはありません。こんな事故を防ぐ簡単な工夫が「リード・スライド」です。1枚目にある正規のタイトルスライドの前に「0枚目のリード・スライド」(別名:プレ・スライド)を設けるだけで、オープニング早々恥をかくことはありません!

オープニングのトラブルを防ぐ「0枚目のリードスライド」

他の人のプレゼンを見ていると、ほぼ全ての人が1枚目にタイトルスライドを置いています。これはとても危険です。スライドショーの開始操作をしたあとで、無意識にマウスが動いたり、パワーポイント以外のアプリにアクティブウィンドウが移動してしまうと、プレゼン冒頭で「いきなりスライドが動かない」というトラブルに見舞われます。

「始める前に一度動かしてみるから大丈夫」という人がいるでしょう。それでもなお注意が必要です。一度でもスライド操作をすれば、スクリーンには次のスライドが映ります。つまりプレゼンが始まる前に、プレゼンの一部が聴衆に「ネタバレ」してしまうのです。さらには、そこからまたスライドを戻すのも、プレゼンターとしては美しい所作ではありません。

そこで、1枚目のタイトルスライドの前に、0枚目の「リードスライド」を置くのです。トップ画像(パワポのスライド一覧画面)を見てください。左上の赤枠で示したスライドがリードスライドです。リードスライドは、これくらいシンプルなデザインで十分。なぜなら本当のタイトルスライドは、その次(右隣)に登場する、タイトル画面にふさわしい「風呂敷包みのスライド」だからです。

トークの前にさりげなくスライド動作を確認する

リードスライドを用意した状態でスライドショーを開始すると、まずスクリーンに映るのはシンプルなリードスライドです。この状態では、まだプレゼンは「準備万端」ではありません。スライドがちゃんと動くかを、まだ確認していないからです。

リードスライドが映写されたら、まずは心の準備を整えます。プレゼンの第一声を発する準備ができたら、本番同様の状態でワイヤレスコントローラーを手に握り、1枚だけスライドを送る操作をします。この時、スクリーンが「正規のタイトルスライド」に切り替わったら機材の準備は整っています。万全の気分でプレゼンを開始してください。

もしもこの時に「リードスライド」から画面が切り替わらなくても、何も焦る必要はありません。なぜなら「まだプレゼンは始まっていないから」です。聴衆も「そろそろ始まるかな」くらいにしか思っていません。その間に改めて動作確認をしたのち、「正規のタイトルスライド」が表示されたら、落ち着いてプレゼンを始めれば良いのです。

リードスライドで救われたプレゼンコンテスト本選大会

リードスライドを用意しても、用意しなくても、そんなに頻繁にトラブルが起きることはありません。ただ、トラブルが起きると致命傷になるのが、やり直しのきかないコンテストや重要な会議でのプレゼン本番です。

私の研究室の学生がプレゼンコンテストに出場する際は、万全を期して必ずリードスライドを準備します。まさにこのお蔭で命拾いをした経験をお話しましょう。

その事故は、2022年の「森田杯・英文毎日杯」ペア・プレゼンコンテスト本選の舞台で起きました。司会者から名前が呼ばれ、演者2人が登壇する瞬間に、プレゼンターはスクリーン上のリードスライドが切り替わらないことに気づいたのです。その学生は落ち着いて舞台袖の主催者に不具合を知らせ、予備のワイヤレスポインターを受け取りました。その後「正規のタイトルスライド」に切り替わったのを確認したのち、2人のプレゼンターは何事も無かったかのように最高の笑顔で語りだしました。

もしもここで「リードスライド」が無ければ、どうなっていたでしょう?ふたりの掛け合いが始まり、プレゼンの雰囲気が作られ、計時もスタートした段階で全てが仕切り直しになるという大事故に見舞われたはずです。あらゆる不測の事態に備え、常に一歩先を考える姿勢が「勝てるプレゼンター」には求められるのです。

プレゼンは、ショーです。洗練された雰囲気を台無しにする、あらゆる事故は避けなければなりません。そのための対策のひとつが「リード・スライド」(プレ・スライド)です。大切なプレゼンをする時には、いつも習慣にしておいてください。いつかきっと、役に立つ瞬間が訪れます。


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