大会発表直前!技術から人間力にシフトする最後の1週間で確認すべき3つのこと
コンテスト出場の原点を振り返り、舞台に立つ理由を考える。

いよいよ一週間後にコンテスト本番!この時期、スピーカーはとにかく完璧を目指して練習に明け暮れますが、「これでいいのかな?」と不安にもなるでしょう。そんな時は、息抜きを兼ねて「3つの大切なこと」を振り返ってみませんか。テクニックに終始せず、スピーカーとしての存在感を高めるためのポイントについて考えてみましょう。
テクニックの向上とともに人間性の成長が必要
スピーチコンテストの目的は、単なる英語力やスピーチ技術の優劣を評価することに留まりません。課題発見から課題解決への転換を目指す中での「社会との向き合い方」や「人間力」が、スピーチの練習を通じてどれだけ磨かれたかが試される舞台でもあります。
本番前、最後の一週間は、諸々の技術面ばかりに目が行きがちですが、そんな時こそ、スピーチの原点に立ち返り、自分自身と冷静に対話してみる時間が必要です。いまさら言うまでもなく、スピーチは論理性、感受性、表現力などに加えて、人間力があってこそ成り立ちます。その観点から、本番一週間前に確認したい3つのポイントを挙げてみます。
ポイント1:何のために話すのかを改めて振り返る
1点目は、スピーチコンテストで何のために話すのか、という根本的な質問です。もちろん、誰もが入賞を目指して努力を重ねるわけですが、それだけを目的としたスピーカーは、実に薄っぺらく映ります。コンテストでは、スピーカーとして舞台に立つ「大局的な目的」がそこになければなりません。
これは何も難しい問いではありません。スピーチにはすでに「社会へのメッセージ」が込められています。その問題を訴え、聴衆の意識変化を促すこと。そこに原点があるはずです。テーマの選定から原稿作成まで、多くの意見を聞き、何度も先生の指導を受け、現在の原稿が仕上がりました。その頃の初心を忘れないでください。
ポイント2:練習開始当初の音声や動画を確認する
2点目は、成長の過程を振り返り、これまでの道のりを知ることです。上で紹介した「原点を知る」ということにも重なりますが、練習開始当初の音声や動画ファイルを確認すると、まるで自分の成長アルバムを開くように、懐かしい気持ちが蘇ってくるはずです。
最初にはまったくできなかったことが、今は出来ている。その成長を確認することで自己肯定感を高めるとともに、支え合った仲間や家族、先生方への感謝の気持ちを新たにしてください。そのような気持ちを持てる人は、舞台でもその人間性が感じられ、必ずプラスの印象となって現れるものです。
ポイント3:「人は、人に感動を覚える」という真理を知る
3点目は、スピーチにおける「感動」とは何かを考えることです。究極的には、人は、人に感動を覚えます。どれだけ優れた解決策を提示しても、人は「解決策」に感動するのではなく、その「解決策を示した人」、つまり「その人が社会と向き合う姿」に感動を覚えます。
ファイナリストとしてコンテストの舞台に立つ以上、テクニック面だけで差をつけることは難しいかもしれません。だからこそ、長きにわたる練習期間を通じて、スピーカー自身の「誠実さ」や「信頼感」が十分に醸し出されているかを見直しましょう。人の心を揺さぶることができるのは、聴衆の信頼に値する誠実な人だけが達成できる特権です。
最後は人間力。技術よりも誠実に訴える時間を。
技術的な話をすれば、大会一週間前ならば、最終的な微調整を繰り返しつつ、イントネーションの揺らぎや語尾の明瞭さ、間の取り方やジェスチャーのタイミングなど、確認するべきことも明確になってきます。でも、それよりも大切なポイントは、話者自身の「人間的魅力」にあります。
ぜひ、「スピーチ活動を通じて大きく成長した自分」を審査してもらうつもりで、最後の一週間を堂々走り切ってください。ここまで来れば、テクニックはもう十分です。テクニックよりも誠実さ。ただ「勝ちたい」と思っているだけのスピーカーを、審査員はいとも簡単に見抜きます。あなたの実直な思いを伝えきることを第一に、後悔のない舞台を楽しんでください!
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