コンテスト本番の緊張を乗り越える「表情のホームポジション」

どのような話題でも「最初と最後は」穏やかな表情で。

コンテスト本番の緊張を乗り越える「表情のホームポジション」 トップ画像

舞台上で聴衆と向き合った瞬間、無意識のうちに険しい表情になっていませんか?本番の緊張感、慣れないスポットライト、そして多くの観衆。どれをとっても厳しい表情になる条件ばかりです。そんな瞬間だからこそ、穏やかな表情で聴衆と向き合ってください。その微かな笑顔を「ホームポジション」とすることで会場の空気は優しくなります。

難しい話題のスピーチでも、優しい表情を欠かさない。

審査員として多くのスピーカーを見てきた中で感じるのは、優れたスピーカーには、スピーチが始まる前の穏やかな笑顔があることです。それは、たとえ厳しい批判をするスピーチであっても、最初の雰囲気はとても優しいのです。

名前を呼ばれてから第一声の瞬間まで、誰もがあなたに注目しています。その時に、優しい表情が見えると、聴衆は安心します。逆に、無意識であっても厳しい表情を見せるスピーカーが登場すると、聴衆は構えてしまうものです。

時折、自分自身のスピーチの「空気感」を演出するために「厳しい表情」で臨んだり、「淋しそうな雰囲気」で演台に立つスピーカーがいますが、これを成功させるには、相当な経験と全体の構成力が必要不可欠です。できればそのような演出は避け、まずは「穏やかな表情」を基本とするのが得策です。

楽しい話題でも、厳しい話題でも、聴衆は「穏やかな人の登場」によってリラックスできます。最初から「怖い雰囲気」を演出し、不要な緊張感を会場に漂わせても、話者にとってあまりメリットはありません。

表情の「ホームポジション」を把握しておこう

スピーチのジェスチャーには、通常の手の配置場所となる「ホームポジション」があります。それと同じように、表情にも"ホームポジション"に相当する「微かな笑顔」を意識するのが望ましいです。

会場が広くなればなるほど、顔の表情は伝わりにくくなります。自分が「普通の表情」と思っている表情が、聴衆には「無表情」であったり、時には「怖い顔」に映るときがあります。ゆえに、舞台上の「表情のホームポジション」として、「穏やかで優しい表情」をマスターしておくのは大切です。

その表情をベースにして、ポジティブな内容であれば「笑顔」を、シリアスな内容であれば「真剣さ」を、ネガティブな内容であれば「困惑した雰囲気」を、作っていきます。そして、一定の表情をする場面が終われば、また「ホームポジション」に戻すのです。

ステージ上での話者の表情は「微かな笑顔」が標準です。この表情を基本として、様々なバリエーションを練習し、自分の意思で表情をコントロールできるように練習しておきましょう。

演台への登場と退場は「ホームポジション」を維持

「表情のホームポジション」で身につけた「微かな笑顔」はまた、舞台に登壇したり、演台から去る際の基本の表情にもなるわけです。人間だれしも、怖い顔をした人よりも、穏やかな顔をした人に近づきたいものです。そんな基本的な事実を覚えておいて損はありません。

大切なことは、スピーチコンテスト本番の緊張感や慣れない舞台環境に「表情のホームポジション」が影響を受けないようにすることです。スピーチを練習する際には、スピーチ本体の練習だけでなく、演台に上がる瞬間から、座席に戻るまでの一連の流れを動画で撮影し、自分の表情を確認する習慣をつけましょう。

聴衆に「いい人だったね」と気に入られるのは、「上手なスピーカーだったね」と思われる以上の価値があります。人として信頼される表情とはなにかを意識して、ぜひ人とは違う魅力を演出してください。

お問い合わせ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です