審査員が教える!コンテスト後の個人面談で尋ねるべき2つの質問と注意点
審査員は最高の助言者。次の成功のために気をつけること。

全国規模の英語スピーチやプレゼンテーションのコンテストでは、大会終了後に審査員から講評を受ける個人面談(チュートリアル)の機会が設けられることがあります。審査員ごとに、一人あたり5分程度の短い時間です。これを最大限に活用するには、審査員に効果的な質問を投げかけることが欠かせません。この記事では、コンテストの審査員経験に基づき、この5分間に審査員に尋ねるべき「2つの質問」と、個人面談での「望ましくない姿勢」についてお話します。
「良かった点」と「改善点」を自分から尋ねること
講評のための個人面談は、とても慌ただしい時間です。厳格な時間制限のもとで、次々にスピーカーが入れ替わり審査員のもとにやってきます。その際「自分から質問をしない人」がとても多いのです。中には、挨拶さえしない人もいて、面談の開始が遅れることがあります。
全国大会の最高の舞台で発表を終えたあとです。その発表について、もっと積極的に審査員のコメントを求めましょう。そうすれば、審査員からより具体的なアドバイスを引き出すことができます。少なくとも、面談の初めには「発表順」「名前」「テーマ」の3点を自分から名乗って、速やかに面談を始めるのが正解です。
黙って椅子に座っていても、審査員は丁寧に講評をしてくれるでしょう。でも、面談時間は本当に限られています。挨拶に続いて、以下の2つの質問を「自分から」審査員に尋ねることをお勧めします。
個人面談に必須の「2つの質問」
- 良かった点と、それを今後さらに伸ばすためにすべきこと。
- 改善すべき点と、その克服のための具体的な方法。
難しくはありません。「今日のスピーチで良かったところや伸ばし方、悪かったところや改善方法を教えてください」と尋ねればよいのです。この質問をあなたから尋ねることで、審査員は講評の焦点を定めることができ、限られた時間を最大限に生かした面談にしてくれるはずです。
とにかく素直に、心を開いて審査員と向き合う。
このような質問をする際に重要なのは「素直に心を開くこと」です。特に、選外になった参加者や、思うような発表が出来なかった話者が、まるで敵を見るかのような態度で審査員に向き合ってくる場合があります。審査員は、豊富な経験をもとにスピーカーが成長するための助言を与えてくれる存在です。まずは誠意をもって耳を傾ける態度を示すことをお勧めします。
私が審査員を務める際の個人面談では、特に上記のような質問がなければ、基本的に「改善点」に特化した助言をしています。これは、そのスピーカーが、次の舞台に向けてさらに上達することを真に願っているからです。
それゆえに「もっと褒めてほしかった」と感じる人もいるかもしれません。もしそう思う可能性があるならば、個人面談が始まった時点で「良かった点と改善点の両方を教えてください!」と言えば良いのです。面談は本当に短時間です。どうすれば、審査員と過ごす時間をもっとも生産的にできるかを考え、チュートリアルに臨んでください。
審査員と一対一で向き合うのは緊張するかもしれませんが、ぜひとも審査員との対話を楽しんでください。すでに全国レベルの実力を持ったスピーカーなのですから、いずれまた次の全国の舞台がやって来ます。次のチャンスに向けて再スタートを切るのが、この個人面談の5分間だと考えてほしいものです。
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