課題発表用の手抜きスピーチは、半径1m以内の題材をテーマに選べば簡単!
連想ゲーム式「手抜きスピーチ」が面白いほど伝わる理由

やりたくもない英語スピーチやプレゼンの宿題を発表させられるのは地獄ですよね? でも、イヤイヤ発表するプレゼンを聴く側の人間もそれはまた地獄です。せっかく用意されたスピーチのための時間ですから、皆が不幸になるのは避けたいもの。誰でも簡単に課題が完成する「超・手抜きスピーチ」のつくり方を教えます。大丈夫。それでも、かっこいいスピーチになるんです!
テーマ選びが面倒なら、目の前にあるもので十分!
この記事を読んでいる人は、そもそもテーマも決まっていないでしょうから「何を話すか」から考えないといけませんね。テーマ選びの正攻法は「テーマ」のタグから関連記事を一覧できますが、今回はそれもスキップして、とことん手抜きでテーマを考えましょう。
まずは、半径1m以内の目の前にあるモノを見渡してください。いろいろな物が周りにありますよね? その中から、何でも良いので適当にひとつ手に取ってみます。はい、それが今回のテーマです。おめでとうございます!
そのあとは、そのモノからまるで連想ゲームをするように、関連する話題を3つ考えます。それがスピーチの本体になります。
そして冒頭で、"Today, I'm going to talk about ~"と言ってテーマとなるモノを宣言し、"I hope you enjoyed my speech"で締めれば、スピーチは完成です。
手抜きスピーチは、一周回って「いいスピーチ」!
こんなやり方でスピーチになるのか、と思うかもしれませんが、まったく心配いりません。たとえば、半径1m以内の目の前に「シャープペンシル」が転がっていたとします。はい、そうです。その瞬間にテーマ確定です。所要時間は2秒ですね。
次に、シャープペンシルにまつわる話をいくつか考えてみます。たとえば以下のような話題が思いつくでしょうか。
- お気に入りのシャープペンシル
- 最近買ったシャープペンシル
- 初めて買ってもらったシャープペンシル
- いつの間にか無くなってしまったシャープペンシル
- シャープペンシルの歴史
- シャープペンシルが発明される前の世界
- シャープペンシルの売れ行き
- 未来のシャープペンシル
2~3分程度のスピーチであれば、これらの中から面白そうな話題を「3つつなげて」原稿を作ります。制限時間にもよっては、1つか2つの話題で十分な場合もあるでしょう。それは、指定された制限時間に応じて調整してください。
上記のサンプルから①③⑤を選んだ場合のイントロを作ってみます。スピーチのオープニングは次のように言えばでカンペキです。(※ちなみに「3つの話題」に⑤を入れた理由は、記事の最後を読んでください!)
- Hello, my friends! Today, I am going to talk about シャープペンシル, or the mechanical pencil.
皆さんこんにちは。今日はシャープペンシルについてお話します。 - First, I will talk about the history of the mechanical pencil.
最初に、シャープペンシルの歴史について話します。 - [Second / Next], I will introduce my favorite mechanical pencil.
[2つめ / 次]に、私の好きなシャープペンシルを紹介します。 - [Third / Finally], I will talk about my first mechanical pencil.
[3つめ / 最後]に、私の初めてのシャープペンシルのお話をします。
これを言い終わったら、宣言した順番で話を続けます。複雑な話をする必要はありません。簡単なことばで、言える範囲のことを話せば十分です。せっかく2番目の話題で「好きなシャープペンシル」の話をするのですから、現物を持っていって、皆に見せると良いでしょう。ちなみに、現物を見せるスピーチは"Show & Tell"と呼ばれています。
スピーチの最後(まとめ)は、次のような言葉で終わりましょう。
- This is my speech about the mechanical pencil.
以上がシャープペンシルについての私のスピーチです。 - Next time you use a mechanical pencil, please remember me.
次にシャープペンシルを使う時には、私を思い出してください。 - I hope you enjoyed my speech. Thank you.
私のスピーチを楽しんでくれたことを願います。ありがとう。
この形で話をすれば、手抜きスピーチを準備したつもりが、最後には「いいスピーチ」に変わっているはずです。なぜならこのやり方は、スピーチに必要な「シンプルであること」すなわち、話題がハッキリしていて話の流れが明解であるという条件を、爽快なほどに満たしているからです。
正しく手抜きをすれば、スピーチは磨かれる。
正しい手抜きは、結果として優れたモノを生み出します。「美味しくしようと必死に味付けした野菜料理が、結局ゴテゴテして何も美味しくない。それなら味付けなどせず、茹でてポン酢で食べた方がよっぽど美味しいじゃないか!」 実は、英語スピーチもこれとまったく同じことが起きるんです!
テーマも無い。やる気もない。そんな時こそ正しく「手抜き」をして、シンプルなスピーチをつくってみてください。話者自身も、予想外に「スピーチが伝わる面白さ」を感じられるはずです。
最後に、今回のスピーチが「なんだか立派に聞こえる」秘密の答え合わせをしましょう。上記の①~⑧の話題の例についての解説です。①~④は「自分自身のこと」、⑤~⑧は「社会的なこと」となっている点に気付いたでしょうか。上記のスピーチが何となく立派に聞こえるのは「⑤シャープペンシルの歴史」という「社会的なこと」が入っているから、という隠れたテクニックがあるのです。
お願いです。授業で苦手なスピーチ課題が出た時も、どうかスピーチを嫌いにならないでください。最終手段は「正しく手抜き」で切り抜ける! ぜひ楽しい時間を過ごしてくださいね。
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