"according to"で説得力アップ!英語スピーチでは証拠を引用しよう
ありふれた表現だからこそ、確実な論証が即座に伝わる。

聴衆を説得するためのプレゼンやスピーチを書く際、論証の仕方で困ったことはありませんか? 証拠やデータを提示する時にとても役立つのが、英語スピーチの定番表現"according to"です。この表現から文章を始めれば、その後に続くデータや事実によって話者の主張を裏付けることができます。論理性が高まれば、それだけスピーチの説得力も強化されます!
主張と論証材料は近くに置いてわかりやすく
スピーチでは論証が必要というのは分かっていても、どのように原稿で「論証を切り出すか」で悩む人は多いです。そんな時は、とりあえず"according to ~" [~によれば]と言ってみるのはどうでしょうか。これを言うことで、話者も聴衆も、そのあとに「論証材料」が来る流れを共有できます。
"according to"を使う場所は、どこでも構いません。スピーチの冒頭を"according to"から始めるというのも、緊張感があって悪くはありません。使う場所は自由ですが、ひとつだけルールがあります。"according to"を言うタイミングの前後どちらかに、そのデータをもって主張したい内容をはっきり示すことです。
たとえば、以下の主張と、そのための論証材料があったとしましょう。
- 主張:Fishing has been gaining great popularity among young people.
→ 若者の間で釣りが人気を集めています。 - 論証材料:According to a survey by 〇〇 Corporation, more than 60% of high school students have already tried fishing.
→ ○○株式会社の調査によれば、高校生の60%超がすでに釣りを経験しています。
このようなペアの場合、論証材料を紹介するタイミングは、上記の主張の前でも、後でも構いません。大切なのは、「何が何を論証しているのか」という組み合わせが分かりやすいように並べることです。
"according to"の引用元は自由で幅広い!
"according to"の後に続く「引用元」には、幅広い種類の表現を置くことができます。
- According to the [ professor / news / company],
その[教授/ニュース/企業]によれば、 - According to [a survey / a poll / the statistics],
[ある調査/ある世論調査/その統計]によれば、 - According to [her experience, his statements, their discussion],
[彼女の経験/彼の言い分/彼らの議論]によれば、
ちなみに、「わたし的には」という日本語を直訳して"according to me"と表現すると、英語話者にはとても不自然に聞こえます。この英語は、皮肉やユーモアを示す限られた文脈以外では使われません。英語プレゼンにおいて「わたし的に」と言いたければ、"In my impression"、"From my perspective"、"I feel"などの表現を使いましょう。
論証は、スピーチの論理的な説得力(ロゴス)を高め、聞き手にあなたの主張が「論理的で信頼できる」と感じさせます。「ありふれた表現だから」という理由で"according to"を嫌う人がいますが、それは違います。ありふれた表現だからこそ、"according to"と口にするだけで、「確かに論証材料を示しましたよ」と明示する効果があるのです。
引用元を示して、その根拠を語り、自分の主張を支えるのは、スピーチとプレゼンの基本テクニックです。特に、「ちゃんと論証できたかな」と不安になる場面では、この"according to"が役立つはずです。ぜひ論証が必要な場面で、意識して使ってみてください。
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