スピーチ・プレゼン発表時の「大きな声/豊かな声」と「うるさい声」の境界線
喉の緊張を和らげてお腹から声を出す大切さを知ろう

スピーチやプレゼンテーションには「豊かな声」が必要です。簡単に言えば「大きな声を出す」ということですが、これは決して「うるさい声」ではありません。聴き手がリラックスして耳を傾けることのできる声とは、会場に十分に響く、深く、豊かな声のこと。喉をリラックスさせることも重要です。
小さな声→大きな声→豊かな声への転換を目指す
人前でプレゼンテーションをすることに慣れていない人は、ほぼ例外なく発表時の声が小さいです。発表者にはプレゼンに適した声(presentation voice)を出すことが常に求められますが、多くの人にとっての第一の関門は、とにかく「大きな声を出すこと」です。
大きな声の出し方は、過去記事「スピーチで遠くまで届く豊かな声は聴衆を超える距離を意識することから」で説明しましたが、そもそも「声の距離感」を意識しなおすことが大切です。そのうえで発表練習を繰り返すことで、次第に声は出るようになってきます。
その時点の状態は、単なる「大きな声」です。そこから「豊かな声」への昇格を目指す段階において、さらに大きな声を出そうとすることで、ギャンギャンと(あるいはキンキンと)響く「うるさい声」になる人も少なくありません。この原因は、喉が必要以上に緊張していて、息の通りを邪魔していることにあります。
大きく豊かな声を出す時こそ喉はリラックスして
大きな声を絞り出そうとすると、どうしても喉が緊張してうるさく響いてしまいます。まずは喉をリラックスして、ゆったりと喉を開く感覚をつかんでください。「あーー」という声を出して発声練習をする場合でも、決して喉は力まずに、腹部から太く豊かな声を出すことを意識してみましょう。
スピーチの中では、力を込めて語る箇所がいくつかあるでしょう。その時には、がなり声のように「叫ぶ」のではなく、お腹から大きな息の固まりを前に押し出すように、喉をリラックスして発声すると、滑らかで、豊かな声が出せます。
スピーチコンテストの審査員からのコメントで"too loud"[声がうるさい]と書かれることは、"too low"[声が小さい]と書かれるよりも名誉なことです。しかし、いつまでも"too loud"と書かれることは避けなければなりません。
練習のどこかのタイミングで「うるさい」から「豊かな響き」への転換が図れるよう、お腹と喉を意識したボイストレーニングに取り組んでください。そのカギは、喉のリラックス加減と、お腹からの息の出し方にあります。ぜひ確かめてみてください。
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