Q. スピーチで「何が言いたいのかわからない」と先生に言われた
「言いたいことは全部言ってるのに、なぜ伝わらない?」

Question ▶ 原稿を先生に見てもらった時、「何が言いたいか分からない」と言われました。言いたいことはすべて書いたのに、どういうことなの?

Answer ▶ それは「最も伝えたいメッセージが曖昧」という意味だと思います。多くのことを言いすぎず、「導入・本論・結び」を通じて、大切なメッセージを一貫させると印象は改善されます。
言いたいことを全部言うから伝わらない
スピーチを書く人がよく陥りがちなワナが「言いたいことを全部言う」です。言いたいことは言わなければなりませんが、何でもかんでも全部言えばよいというモノではありません。3~5分のスピーチで伝えられる「言いたいこと」は、たった「ひとつだけ」なんです。
ここでいう「言いたいこと」とは「スピーチを通じて聴衆に最も伝えたいメッセージ」のこと。違う言い方をすれば「いろいろ話したけど、結局、最も言いたいのは〇〇〇ということです」の「〇〇〇」に当てはまる部分がスピーチでいう「言いたいこと」になります。
たとえば「スポーツの大切さ」についてスピーチをする際、話しているうちに「自分の好きなスポーツ」や「人気のスポーツ選手」などの話題へと広がってしまうことがあります。こうなると、結局「どれだけスポーツが大切か」というメッセージは明確に伝わらず、「で、何が言いたいの?」という印象が残ります。
言いたいことを全部言ったから「あとは聴く側で判断して」という姿勢では、おそらく聴衆は何も理解してくれません。なぜなら、聴衆はあなたに対してそこまで思慮深く親切ではないからです。
「導入・本論・結び」を通じて主張を繰り返す
「言いたいことがわからない」と言われないようにするために、要は、言いたいことが分かるようにスピーチの要所要所で明言すれば良いのです。そのチェックポイントは次の3つです。
- 導入(introducion)で「今日は"スポーツの大切さ"について話します」と宣言していますか。
- 本論(body)でも「やっぱりスポーツは大切なんですね」と繰り返していますか。
- 結び(conclusion)でも「このようにスポーツは大切なんです」と振り返りましたか。
この3点を自分に問いかければ、必ず「言いたいこと」は伝わります。
何が「言いたいこと(主張)」で、何が(その言いたいことを支えるための)「おまけの話題(具体例)」なのかを意識すれば、スピーチの伝わりやすさは変わります。最初は違和感を感じるかもしれませんが、ぜひシンプルに語る練習に挑戦してみてください!
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