ネットの助言に惑わされない判断力を、スピーチとプレゼンで養おう!

スピーカー自身の「眼力と判断力」で最善の方法を築く

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プレゼンテーションやスピーチを準備する際、ネット上にあふれる「助言」に迷わされた経験はありませんか? 時に相反するアドバイスが並ぶ中、どれが正解なのか分からなくなることもあるはず。そんな時こそ、多くの情報の中から本質を見極めるチャンスです。検索や生成AIを自由に使える現代だからこそ、最後に判断するのは私たち人間の役目。その判断のプロセスは「スピーチで何を信じ、何を聴衆に訴えるか」という姿勢によく似ています。

正解が無い中で「優れている」ものを追求する

お蔭さまでこのスピーチブログには多くの方々に訪問いただいています。その中で訪問者が多いページのひとつに「Thank you!スライドは不要。終わりはタイトル画面で」があります。この記事をひと言で要約すれば、「"ご清聴ありがとうございました"の最終スライドはやめよう」というアドバイスです。

一方で、ネットにはプレゼン最後の「ご清聴ありがとうスライド」をいかに見栄え良く制作するかをアドバイスするサイトもあります。Thank youスライドの是非はどちらが「正解」でしょうか?

あえて回答するなら「どちらも正解」が正解です。それぞれのサイトでは、それが「優れている」との判断のもとに情報が提供されています。あとは、読み手がそれらの情報を受け止めて、持ち前の眼力と判断力で「自分ならどうするか」を考えることになります。

最終目的地は、プレゼンテーションなりスピーチなりが成功を収めること。それが「本当の意味で」成功であれば、どのようなルートを通ってきたかは大した問題ではありません。そう考えると、スピーチやプレゼンを構成する一つひとつのパーツには、話者自身の人間性が反映されていることが分かります。

自分の「正解」を信じてスピーチを強くする

スピーチやプレゼンでは、自分が信じることを訴えます。これもまた「正解」の無い中から「正解と信じるもの」を導き出す作業です。論点の構築から言葉選び、パワーポイントのプレゼンならスライド作成やデザインに至るまで、多くの「参考情報」が身の回りにあふれています。でもその「正解」は自分で判断しなければなりません。

授業や研究室で学生を指導していると、「(A案とB案の)どちらがいいでしょうか」という質問をよく受けます。こうした場面では、学生の心は既にどちらかに傾いている場合が多いので、本人の意見を尋ねてから客観的な助言を付け加えます。それは、優れたものを信じようとする学生の背中を押す配慮でもあります。

ただ、コンテストを目指すような上級者に対しては、研究や経験からいえる事実を説明したうえで、「最終的には自分で考えて」と返すこともあります。彼らにとっては、準備段階における一つひとつの判断が、話者の全体的な信頼感に影響を与えるからです。

どんな問いに対しても、ネット上で多くの情報が返される現代だからこそ、自分自身の判断力をもって「正解」を導き出すことの大切さが評価されます。スピーチやプレゼンテーションは、その判断の積み重ねが形になったものです。ぜひ、プレゼン活動を通じて「本質を探し求める気持ち」を育てていってください。

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