Q. スピーチ原稿の暗記を克服する方法を知りたい!
「そもそも暗記が苦手です。どうすれば原稿を覚えられますか?」

Question ▶ 授業の課題でスピーチ発表があります。原稿を覚えないといけないのですが暗記が苦手です。どうすればいいですか?

Answer ▶「暗記用の原稿用紙」を活用し、内容と文章の位置、そして感情を紐づけて音読練習を繰り返せば、効率的に暗記が進みます。もし本番で忘れてしまっても、「素で勝負する」くらいの心意気で臨みましょう。
暗記が不完全なだけで「失敗」にはなりません!
暗記が必須となると、緊張しますよね。「失敗したら恥ずかしい」という思いは誰にも共通する不安ですが、暗記が途切れたくらいでスピーチは「失敗」にはならないので安心してください。大切なのは、きちんと観客とつながっておくこと。暗記が飛んでしまっても「即興で何とかすればいい」くらいの開き直りも必要です。
原稿を暗記する魔法の方法はありませんが、いくつかコツを紹介します。まずは以下の3ステップで「暗記用の原稿用紙」の準備を始めましょう。
- 行数の調整:
A4判1ページ全体に行が広がるように、
文書の書式設定で「1ページの行数」を加減します。 - メモスペースの確保:
広めの行間に発音や意味など、
練習に必要なメモを書き込めるようにします。 - 段落間の余白追加:
段落の間に1行分の空きを追加しておくと、
段落要旨を書き込みやすくなります。
各段落には、それぞれ伝えたいメッセージの要点があります。各パラグラフの横や上の余白に、その段落で伝えたい要旨を手書きで書き込みましょう。段落ごとの要旨を上から下へ追っていけば、自分のスピーチの大まかな全体像やメッセージの流れがつかめます。これがスピーチ全体を暗記する際の骨組みになります。
各段落の大まかな主旨の流れを把握できたら、いよいよ暗記のスタートです。まずはこの表現、次にこれ、そしてこれ、というように順番に話の流れを確認しながら、丁寧に音読をして感情を乗せていきましょう。
内容と文章の位置を紐づけることを意識して音読練習
音読練習の際は、常に同じ「暗記用の原稿用紙」を使います。いつも同じ原稿で練習を続けると、伝えたい内容が「原稿のどの辺に書いてあったか」が次第に頭に残ってきます。まるで近所の街の地図を思い描くように、どのあたりで、どんなセリフがあったかが一致してくるわけです。
音読練習の際は、最初に書き込んだ「段落ごとの伝えたい要旨」を振り返りながら、具体的な言葉が「原稿内のどの辺りにあるか」を確かめます。そのうえで、1段落ごと、丁寧に音読を繰り返し、1つめ、2つめ、と順番に文章を暗記していきます。
大変ですが、何度も何度も丁寧に音読を繰り返すことで、反射的に次の単語、そして次の文章へと、次第に言葉が出てくるようになるまで練習することが大切です。
大まかな原稿の流れが頭に入ったら、次にやることは感情を乗せて音読をする練習です。「感情を乗せる練習は暗記のあと」と考える人が多いのですが、感情を乗せることと表現を暗記することは表裏一体です。少し大げさかなと思う程度に感情を乗せて、その感情の変化を意識して音読しましょう。そうすると、もし暗記が途切れても次にくる感情だけは頭に残っていますから、次に続くメッセージの内容を思い出しやすくなります。
それでも忘れたら!最後の手段は度胸と笑顔で
いよいよ本番。万一暗記が途切れて、次に何を言うかが思い出せなくなった場合には、「段落ごとの主張の流れ」「途切れてしまった原稿内のおおまかな位置」そして「ここまでの感情を流れ」をつなぎ合わせて思い出してみましょう。この3つの情報があれば、完全ではなくても大まかな文章は思い出せるはずです。
もしそれでも思い出せない場合には、つたない表現でも大丈夫ですから、段落要旨に沿って即興で話をつなぎましょう。何も言わずに黙ってうつむいたり、途中で明らかに諦める態度を見せるのは聴衆に対して大変失礼です。スピーチは聴衆のために発表するもの。どんなアクシデントがあっても、命まで奪われることはありません! 笑顔で堂々と聴衆に飛び込む勇気を持ちましょう。
次の発表にむけて、これらの暗記のポイント試していただき、ぜひ堂々と発表を成功させてください。発表後の成功談を楽しみにしています!