Q. 結論先行型で英語スピーチの導入部分で解決策を言うのはダメなやり方?
「スピーチ冒頭で解決策を述べるとインパクトがあるのでは?」

Question ▶ 英語は結論先行型だと習いました。スピーチの冒頭で社会問題の解決策を言ってしまうのはダメでしょうか?珍しいので注目を集められると思います。

Answer ▶ 「最初のページに犯人の名前が書いてある推理小説を読みたいか?」という質問への答えに似ているかもしれませんね。スピーチでいう「結論先行型」とは、導入部分でスピーチの全体像を示すことであって、解決策はこれに含まれません。
解決策の提示はストーリーのクライマックスに
説得型スピーチにおける解決策は、ひとつのストーリーの頂点ともいえるパーツです。それを冒頭で開示するのは、推理小説の冒頭で犯人の名前や素性を明かすのと同じです。この「斬新なインパクト」は、多くの場合、聴衆を置き去りにしてしまうでしょう。
ここでいう「斬新なインパクト」には、良い意味もあれば、悪い意味もあります。「なぜ最初に解決策なんだ?」という聴衆の素朴な疑問に答えられるだけの「熟考された構造」を練り上げられない限り、積極的にお勧めできるやり方ではありません。
聴衆はスピーチを通じて、話者からの「問題背景の説明や論証プロセスの開示」を経て、ようやく「ではどうすればいいのか?」という疑問に至ります。一般論として、その疑問が出た瞬間が「解決策」を共有する理想的なタイミングです。
原則を破るならリスク以上のメリットが必要
スピーチにはある程度の流れをつくる「型」があります。それはあくまでもひとつの形式であって、常に厳守しなければならないというものではありません。しかし、その「型」を破るときは、それ以上のメリットがなければリスクだけが残ります。
人とは違うアプローチを指向する「スピーチマインド」の原則に立てば、スピーチ冒頭で解決策を開示することは、その「特異性」が聴衆の関心を高める効果は否定しません。ただ、聴衆全体を見渡した場合に、その"斬新な"やり方が総じて優れた演出成果をもたらすかは疑問です。
聴衆の一部に評価されても、多くの聴き手に「疑問」や「不安」を残すやり方は、あまり優れているとは思えません。「何について話すか(主張)」は最初に言い、「どう変えるか(解決策)」はクライマックスで示す。 これが、英語スピーチにおける「結論先行型」の正しい解釈です。
それでも、解決策を冒頭で提示したいなら、当研究室が推奨する「英語スピーチ構造用紙」の流れ以上の効果が狙える時だけと心得ておくと安全でしょう。
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