Q. スピーチ原稿で使いたい英単語が難しい時は簡単な表現に変更すべき?
「使いたい単語を使うべきか、優しい単語に変えるべきか」

Question ▶ 和英辞書や生成AIを使って原稿を書くと、難しい単語が出てきます。自分の気持ちを表している単語なんですが、聴き手には分からないと思います。どうすればいいでしょうか。

Answer ▶ いい配慮ですね!理解されないスピーチに意味はありませんから、基本的には「聴衆が理解できる言葉」を使うべきです。易しい単語で置き換えるほかにも、単語ではなく別の表現(句)などで言い換える方法もありますよ。
スピーチでは聴き手が理解できる言葉を使う
自分の気持ちにぴったりくる単語を見つけた時は、使いたくなるものですよね。それよりもまず、この質問には聴衆への「配慮」が含まれていて素晴らしいです。
大学生や高校生のスピーチを聞いていると、恐らくクラスメイトは理解できないだろうと思われる難しい単語を平気で使う人がとても多いのです。そんな中で、「この難しい単語を使っていいのかな」と感じる気持ちに、聴衆への愛情を感じます。
難しい単語を平然と使ってしまうという問題は、昔からありました。しかし最近の生成AI(人工知能)や機械翻訳技術の発展によって、その問題が顕著になっているように思います。そこで改めて認識すべき原則論は、スピーチは「聴いている人が理解できる言葉で話す」ということです。
中学生が中学生に向けて英語でスピーチをする時に、大学生が使うような単語を使っても何も理解されません。これは大学生が発表するスピーチでも同じことがいえます。大学生であれば聴衆にもある程度の語彙力があるでしょうが、それでも「英語スピーチに挑戦する人」と「一般の大学生」が同じ英語レベルにあると思わないほうが安全です。
易しい単語を選び直すか別の表現で言い換える
「難しいかな」と感じる単語が登場した時は、他の易しい単語で言い換えられないかを考えるのが親切です。その他にも、別の表現で言い換える(paraphrase)というのも、いい方法だと思います。
例を挙げましょう。たとえば「目先のことを避けて後回しにする」ことを批判するスピーチでは、その習慣をズバリ言い切る英単語"procrastinate"(先送りする)が存在します。ただ、この単語は一般的な大学生にはあまり馴染みがないでしょう。
そんな時には、類似の意味を持つ易しい単語の"postpone" (延期する)、あるいはイディオムの"put off"を使うと分かりやすくなります。または、元々の表現自体を言い換えて、"leave things until later" (後回しにする)、"wait until the last minute" (最後までおいておく)といった表現に変更すれば、聴衆の理解度もぐっと高まるはずです。
まずは聴衆のことを第一に考える思いやり(consideration)は、単語だけに限らず、話し方にも表情にも表れてきます。ぜひ聴衆を愛して、すばらしいスピーチの時間を楽しんでください。
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