プレゼンター相互の連携を演出して存在感を高める"As ~ has mentioned,"

既出の話題や言葉に触れる際に便利な"mention"

プレゼンター相互の連携を演出して存在感を高める"As (誰々) mentioned," トップ画像

スピーチやプレゼンの発表では、複数のスピーカーが順番に発表をする場面があります。自分が発表する直前の話者や別のプレゼンターが発した言葉を「引用」するのは、自分の存在感を高めるための優れた方法です。その際に便利な言葉が"mention"[言及する]という単語です。

他者の言葉を引くゆとりが「リアル感」を生む

複数のプレゼンターが順番に発表をする機会があるとします。そこで、あなたは2番手の発表者だとしましょう。そして、仮に1番手の発表者(鈴木さん※仮名)が、あなたと同じ(あるいは類似)の考えを示す話をしたとします。

このような場合、あなたは鈴木さんの話を無視して、自分の原稿を忠実に発表しても構わないのですが、そうすると聴衆は「あれ?鈴木さんと似たような話をしてない?」と思われるリスクがあります。こうなると、話が類似しているかのような印象のために、あなたのプレゼンの「新しさ」が弱まる可能性があります。

淡々と自分の発表を続ける代わりに、"As Suzuki-san has mentioned," [先ほど鈴木さんもおっしゃいましたが]というように、先の発表者の言葉に言及してはどうでしょうか。そうすれば、スピーカー相互の連携をリアルタイムに演出できるだけでなく、話者の落ち着きや余裕を示すことができます。

言及から「上書き」へとつなぐテクニック

この「余裕」をさらに高めて、自分のプレゼンに優越性を与える"mention"の使い方を紹介します。

  • 1)通常の言及
    As [Suzuki-san / Mr. Suzuki] has mentioned, globalization is everywhere.
    鈴木さんがおっしゃったように、グローバル化があちこちでみられます。
  • 2) 不足する視点に言及
    As Suzuki-san has mentioned, globalization is everywhere. However, we should ask ourselves if it is really true.
    鈴木さんがおっしゃったように、グローバル化はあちこちでみられます。しかし、それは果たして本当だろうかと考えるべきではないでしょうか
  • 3) 自分の優位性に言及
    As Suzuki-san has mentioned, globalization is everywhere. This is why we are here today to share our proposal.
    鈴木さんがおっしゃったように、グローバル化はあちこちでみられます。だからこそ、我々は今日ここで、私どもの提案をさせていただくのです

このようにみると、(1)は単なる言及にとどまりますが、(2)と(3)は、(1)を前提として自分のプレゼンを際立たせる言葉が続きます。これは、先のスピーカーの言葉を活用したレトリック(修辞法)として、その言葉をわざわざ言及しているわけです。

相手を直接批判することなく、以前の発表者の文脈を「借用」することで、自分のプレゼンを有利に展開できるのが、この"mention"という単語の面白さです。リアルタイムな現場で"mention"を使ったフレーズは、とても戦略的な一面を持っています。

発表会の場で、たまたま他の話者と話題が重複したり類似することはありえる話です。そんな場面に遭遇した時には、先に話されたショックで落ち込むのではなく、それを逆手にとって自分のプレゼンの優位性を示しましょう。"As (誰々) has mentioned, ..." はきっと役に立つフレーズになります。

【おまけ】mention の使い方

「~について言及する」という表現の際、"mentioned about"と言うのは正しくありません。mentionは、その直後に目的語を置ける「他動詞」ですので、aboutは不要です。
例:She mentioned her new plan for the upcoming event.
→ 彼女は今度のイベントのための新しい計画について言及しました


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