Q. 単語を強調すると声がうわずって高くなってしまう時はどうすればいい?
「単語を強調したいときにどうしても声が高くなる」

Question ▶ 大切な単語を強調しようとすると、どうしてもそこだけ声が高くなります。高くせずに「強く発音」するにはどうすればよいですか?

Answer ▶ 単語を強調する際に声が高くなるのは自然なことです。でもスピーチの大切な単語がすべて高く響くと聞きづらくなります。お腹からしっかり空気を送り出し、音程を変えずに強く音を吐き出す練習が効果的です。
強調する際は、声は上げずに「前に出す」。
原稿に登場する特定の単語を強調する場合、最も基本となるのが「強く読む」方法です。この際、意図せず声の音程(高さ)が上振れてしまう人がいます。その多くの原因が、正しい腹式呼吸を伴った、発声のための豊かな息が確保できていないことにあります。
過去記事「普段は使わない領域を使ってこそスピーチ用の声や語りは豊かになる」で紹介した通り、スピーチでは、日常会話を超える領域の息の量を必要とします。まずは(肩ではなく)お腹で呼吸をする意識をもち、その豊かな息を、強調したい単語に乗せてみてください。
つまり単語を強調する際には、「声を上げる」のではなく、強い息を伴って「声を前に出す」という意識が正解です。強い息を前へ吐き出すことで、その単語には自然に強勢(ストレス)が乗り、強調されます。ぜひやってみてください。
「キャンキャンと高く響く声」はプレゼンには不利
強い息を伴って「前に出す」という練習をしてもなお、プレゼン本番は緊張しますので、声が上ずってしまいます。ですので、意図的に高さを上げる場合を除いて、練習では極力イントネーション(抑揚)は上げず、ストレス(強勢)のみで語ることに慣れてください。
女性スピーカーはもともとの声の音域が高いので、そこへさらに「強調によるイントネーションの上昇」が続くと、会場にはキャンキャンとした声が響き続けることになります。こうした「高い声」は、話者の存在感や説得力という観点からも問題が残ります。
もし自分にその心当たりがある場合は、意識的に自分の語りにある抑揚を制御し、音程が上振れないように意識してコントロールすることをお勧めします。音は「前に出す」。これを意識するだけでも、スピーチの落ち着きが変わります。
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