制限時間が4分程度の短い英語スピーチは発表時間が長い8分版より簡単か?

短い「選択と排除」か、長い「演出と展開力」かの選択。

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「短いスピーチだから簡単」とか「長いスピーチだから難しい」といった学生の声を耳にすることがあります。短ければ簡単で長ければ難しいというのは果たして正解でしょうか? スピーチの制限時間(尺)と難易度の関係について考えてみましょう。

4分以下の短いスピーチには「選択と排除」の難しさ

俗に「短いから簡単」と思われがちなスピーチですが、3分や4分という長さのスピーチは、物理的な言語情報の量に制限があります。何が真に大切かを見極め、それ以外のものを「制限時間」という観点で排除する難しさがあります。

話者からすれば、せっかく調査をして手に入れた論証材料などの「題材」を削らなければなりません。まるで努力がムダになってしまうような心理的葛藤やストレスは、短い発表時間ならではの宿命といえるでしょう。

発表時間の短さや全体的な言葉の量の少なさは、英語スピーチやプレゼンに取り組む際のハードルを下げてくれます。でもこれは初心者にとっての話。スピーチの構成について詳しい人になるほど、短いスピーチにはメッセージを端的に濃縮する技術が求められることに気付きます。

その濃縮方法のひとつとして、過去記事でも紹介したのが「説得型スピーチの構造用紙」です。ぜひこの記事を参照していただき、エピソードを絞り込み、無駄を排除したシンプルな構造の基本について学んでください。

8分程度の長いスピーチには「演出と展開力」が必要

では逆に、長いスピーチの場合はどうでしょうか。大学生向けの全国規模のスピーチコンテストでは、8分が標準的な長さです。4分に比べて原稿の文字量にゆとりがあるので、言いたいことを何でも言える心理的余裕があります。この点は、長い発表時間のアドバンテージになります。

言いたいことを何でも言える「時間的余裕がある」という意味では、8分のスピーチは4分のスピーチよりも簡単です。しかし、スピーチは「言いたいことをすべて並べる」というものではありません

過去記事「スピーチは引き算」で紹介した通り、スピーチとは、基本的に「何を言うかより、何を言わなくても良いかで考える」芸術だからです。

時間のゆとりがある分、話者に求められるのは、全体を構成する演出やストーリーを展開する力です。ダラダラと8分間、あらゆるデータや論証材料が語られても、それは聴き手にとっては苦しいはず。例えるなら、30分のショートドラマではなく、2時間の映画をつくりあげるような構成力が求められます。

何から練習すべきかを迷ったら4分から始める

8分のスピーチを最終目標とする場合でも、まずは4分バージョンを作る意識で内容を考えてみることをお勧めします。その理由は、4分用の「選択と排除」の技術をマスターできなければ、結局8分のスピーチもうまくいかないと思われるからです。

スピーチコンテストの審査員をしていると、8分のスピーチがとても長く感じられることがあります。聴衆にとって「長く感じる」ということは、話が単調すぎるか、的を射ていないことの裏返しです。

そうならないように、まずは4分でスピーチのキレを磨くことが大切です。そのうえで8分用のストーリーや演出を企画して、原稿をリライトすれば、聴衆にとって「長いなあ」と感じるリスクは大幅に減るはずです。

主張は短く鋭く。」この本質の価値を考えれば、4分のスピーチが「短いから簡単」ということはないことを理解できるでしょう。まずは4分バージョンから、スピーチの本質的な技術を磨いてはいかがでしょうか。


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