コンテストの大会テーマにどこまで沿うべき?現役審査員が明かす評価の実際
大会テーマの厳格性は大会によって違うので事前に確認を

スピーチコンテストには「大会テーマ」が設定されているものがあります。テーマは毎年変わりますが、発表者のスピーチが、そのテーマに沿っているかをどこまで審査員はチェックしているのでしょうか。そのヒントが、大会テーマの種類や実際の審査用紙にあることを覚えておきましょう。
スピーチコンテストの大会テーマには2種類ある
設定されている大会テーマは、その年の大会が社会に問うメッセージ。いわば「大会の顔」です。原則的には、その大会テーマに沿ったスピーチを披露してくれるのが、主催者にとっては望ましいはずです。一方、大会テーマとはまったく関係のないスピーチでも許容される大会もあります。この違いを説明します。
まず、大会テーマには大きく分けて次の2種類があります。
- 「アジェンダ型」
"Pursuing happiness around the globe"のように、ある程度具体的な「議題(アジェンダ)」が提示され、そのテーマを出場者がそれぞれの角度から議論することを想定したもの。 - 「コンセプト型」
"Happiness"や"Globe"といったキーワードが大会テーマに設定され、そこから想起されるイメージやストーリーを大会全体のコンセプトに設定したもの。
アジェンダ型の場合は、その議題に沿った内容でなければ大会にマッチしたスピーチにはなりません。最初からそれに合致した内容で企画するか、あるいは可能な限りそのテーマに寄せて原稿を修正する必要があります。アジェンダ型であっても、通常はある程度の「幅」がありますので、それなりの自由度はあります。
上の例でいえば、"Pursuing happiness"[幸福の追求]という抽象的な概念が、"around the globe"[世界規模で]という文脈で問われています。「世界中で幸福をどう定義し、どう実現するか」という議題に対し、各出場者が、個人の視点や文化・経済など、さまざまな切り口でスピーチをします。これが「アジェンダ型」コンテストの醍醐味です。
コンセプト型の場合は事前に審査用紙を確認しよう
後者のコンセプト型の場合、テーマは大会の指針を示すものですが、必ずしも個々のスピーチがその内容に完全に合致している必要はありません。大会のコンセプトは尊重しつつも「内容は発表者の自由」ということになります。
ただし、ここで注意すべきことがあります。「コンセプト型」であっても、そのスピーチが大会テーマに沿っているかどうかが審査基準に含まれる場合があるのです。私の審査員経験では、その観点への配点は、全体の5%~10%程度であることが多いです。
コンセプトに合致しているかが審査項目に含まれる場合、大会審査員はその指示に応じて配点します。ゆえに、コンテスト出場前に大会の審査用紙を事前にチェックしましょう。「テーマとの整合性」が審査項目に含まれていれば、無理のない範囲で大会テーマに寄せて内容を調整することをお勧めします。
最終的にはスピーチの本質である「説得力」が決め手
とはいえ、私がスピーチコンテストの審査員を担当する時もそうですが、弁論大会の審査委員は、大会テーマとの厳格な一致をそこまで重視してはいません。あくまでも「結果として、大会テーマに通じる雰囲気があったか」を判断するのが自然です。
その意味において、スピーチコンテストでは、あくまでもスピーチの本質的価値である「説得の内容」で勝負すれば大丈夫です。大会テーマの整合性に神経を尖らせるよりも、常に自分の主張に自信を持って、堂々と発表することに注力してはどうでしょうか。
私が審査員であれば、そんな情熱を感じられるスピーカーの方が、大会テーマに「無理に寄せてきたスピーチ」よりも好感が持てます。皆さんもそう思いませんか?
■ あわせて読みませんか?

お問い合わせ
講演会・セミナー講師、
コンテスト審査員、執筆のご依頼など

