説得型スピーチの基本は使命感と独自取材に基づくジャーナリズムの一次情報
誰も知らない情報を取材する姿勢に聴衆は胸を打たれる

聴衆が知りたい情報は「今まで気づかなかった視点」です。この基本を忘れると、説得型スピーチはうまくいきません。ネットやメディアで耳にした情報を「自分の言葉で言い換える」だけのスピーチでは、本当の「気づき」を聴衆に届けることはできません。大切なのは、自分の使命感に基づく取材力と、それがもたらす「一次情報」です。
公共の利益になると確信した取材をもとに訴える
スピーチコンテストにおける話題にも流行があります。最近では個人の価値観(personal value)をもとに共感を求めるものが増えているようで、それはそれでひとつのスピーチの「形」にはなります。しかし、説得型スピーチの本質的な価値を高める鍵は、社会に斬り込むジャーナリズムにあります。
聴衆が何気なく過ごしている毎日の生活において、何らかの問題意識を投げかけ、その背景を調べ、自分自身で取材をする。そうした話者の真摯な姿勢や使命感があってこそ、スピーチには説得力が宿ります。決して、「どこかで見聞きした情報を再編集して語る」というだけではない強さがそこにあります。
今はネットで多くの情報が得られます。そんな便利な時代だからこそ、自分自身で情報源に取材をし、そこで得られた「まだ誰も知らない話」をスピーチで共有することには、とても大きな価値があります。その理由は、情報そのものだけでなく、その話者の誠実な態度に聴衆の心が動かされるからです。
自分のスピーチには「一次情報」が含まれているか
自分自身の独自取材に基づく新たな話題のことを「一次情報」といいます。それを元に編集されたネットやメディアの記事には、元々の一次情報に演出や脚色が施されていることがあり、それを参考にスピーチを書き上げる際には、何が一次情報で何が二次情報かを正確に見極める必要があります。
私はスピーチコンテストの審査員として多くのスピーチに耳を傾けてきましたが、この「一次情報」へのこだわりが感じられるスピーチはそう多くありません。
世の中に既に存在するデータや現象に疑問を抱き、自ら行政府に出向いて調査をする。自分の脚で自治体の取り組みを取材する。当事者とコンタクトをとって「生の声」を聴く。そんな話題が登場するスピーチはとても珍しいと言ってもよいでしょう。
こうした現状は、ネットのような「簡便な情報源」が溢れたことによる弊害かもしれません。スピーチは、自分の生の声を聴衆に聴いてもらう芸術です。その言葉が本気かつ本物であることを証明するためにも、一次情報の大切さを意識し、誠実な語りを見せてはいかがでしょうか。
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