スピーチの上達には一つひとつのパーツを丁寧に見直す工夫が必要
特定のスピーチだけでなく汎用性のある改善練習を

スピーチやプレゼンを練習する際に、発表の内容から英語の発音、姿勢やジェスチャーなど、すべてを同時に改善しようとしても、なかなかうまくいきません。うまくいかないパーツについては、一つひとつを丁寧に見直す工夫と根気が必要です。この方法は面倒に感じられますが、汎用性の観点から、結局は効率的でもあります。
改善が必要な項目を丁寧に洗い出すことの大切さ
自分のスピーチ動画を観ると、どうしても改善点ばかりが気になって気持ちが落ち込みます。そこで奮起して改善に取り組むのは素晴らしいのですが、「気づいた点を片っ端から直していく」だけでなく、改善点を丁寧に洗い出して、それらの「根本的な改善」を目指す姿勢も大切です。
スピーチやプレゼンを練習する時は、総じて本番が迫っていて時間がないことが多いでしょう。そんな時に「改善点を洗い出して分野ごとに根本から練習」というのは随分遠回りに感じるかもしれません。それでも、発表練習で気付いた場所だけを応急的に修正するよりも、この機会にその原因を根本に改善する努力を大切にしてください。
たとえば「語尾の子音消えてしまう」という課題を考えてみます。発表で気になった際に都度チェックして直していけば、そのスピーチの、その場所については、確かに改善されるかもしれません。でもそれでは「語尾の子音が消える」という課題の根本的な解決にはなりません。なぜなら、質疑応答や別のプレゼンの際に、また同様の問題に直面するからです。
遠回りのように見えて実は効率的な「パーツを磨く」練習
「子音が消える」という問題に気付いた時には、練習中の原稿から離れて、「語尾の子音をしっかり聞かせる」練習に取り組んではどうでしょうか。同様の例で、「アイコンタクトが不安定」という課題を感じた時には、そのスピーチ練習とは関係なく「アイコンタクトに慣れる」訓練に意味があります。
「発表するスピーチだけうまくいけばいい」という人には遠回りに感じられるかもしれませんが、付け焼刃的で表面的な改善には限界があります。どの単語でも明瞭に語尾の子音が聞こえるひとは、どんなスピーチをしても安定感があります。この安定感を手に入れるためには、一つひとつの改善項目と丁寧に向き合うことが結局は効率的なのです。
特定のスピーチやプレゼンだけうまくいっても、発表が終わったとたんに英語が不安定になるようでは、話者の信頼性や誠実さに疑問が残ります。そうならないためにも、時には、遠回りに感じられる「パーツを磨く練習」の重要性を思い返してください。
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