優れたスピーチのお手本としてコンテストの"過去問題"に学ぶ姿勢を

過去の受賞作品を鑑賞することで「空気感」を知る

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入試や検定試験では必ずといっていいほど参照する過去問題集。これは自分が知らない物を知るための効果的な手段です。ところが、初めてスピーチコンテストに挑戦するのに、過去の入賞作品を研究する人はどれほどいるでしょうか?何が優れているのかも分からなくて構いません。まずは鑑賞し、受賞作の「空気感」に触れることに意味があるのです。

かつての受賞スピーチは自分が目指すべきひとつの形

過去の受賞作を観るのは、それを真似することが目的ではありません。スピーカーがメッセージを、どのような言葉で、どのようなデリバリーによって伝えているかを自分の目と耳で確かめ、いわゆる「優れた」スピーチとはどういうものかを感じ取ることが目的です。

スピーチには、冒頭から最後までの一連の時間軸の中で、独自の「空気感」を作り出す芸術です。優れたスピーチを実際に観賞したり、あるいは原稿を味わったりする中で、その「空気感」を感じ取ること。そしてその空気感を自分で再現するには何が必要かを感じ取ることが大切です。

「自分でスピーチを発表しよう」と思った時、どうも過去の優れた作品を味わうことを面倒に思う人がいますが、これはとてももったいないことです。自分が知らない世界に足を踏み入れるなら、先人が築いた優れた「過去作品」は、自分が目指すべき姿を知る最短ルートとなるはずです。

クラブや研究室で過去の入賞作に触れてみる

まずは、自分が所属するクラブ活動や指導してくださる先生、あるいは所属先の研究室が「過去の受賞作品」を所有していないかを確認してみましょう。インターネット上でも一部公開されている受賞作品もありますが、適当なものがなければ、直接、大会主催者に丁寧に照会をしてみても構いません。

過去の受賞作を味わううえで確認すべきポイントは、以下のような項目です。

  • イントロとエンディングがどのように構成されているか。
  • データや論証材料はどこでどのように登場するか。
  • 全体を通じて話のパーツがどのように接続して流れているか。
  • ボディランゲージやジェスチャーはどのように作用しているか。
  • WPM (Word Per Minute:話す速度)はどの程度か。

これらを意識しながら、じっくり味わうことで「自分が目指す最終形」のひとつのサンプルが見えてくるはずです。このプロセスに丁寧に取り組むかどうかは、のちのスピーチの構造設計に影響を与えます。

過去の受賞作品は、いわば「過去問集」です。ますはこれらを効果的に活用しましょう。そして、決して「真似」ではなく、そこから「独自」のコンテンツを築き上げてください。


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