壮行会での代表者挨拶のスピーチはストーリーと語りの視点を意識しよう

代表者のスピーチは「感謝と決意」を明確な「視点設定」で語る

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メンバーを代表して挨拶する壮行会のスピーチには、覚えておくと便利なコツが2つあります。それは、単に「ありがとう」や「頑張ります」と言うだけではなく、具体的なストーリーを添えて「感謝と決意」を示すこと。そして話者の「語りの視点」を使い分けることです。常に「誰の視点」から「誰に」話すのかを意識しておくと、聴衆との一体感を得やすくなります。

感謝の言葉は「ストーリー」で語る

1点目の「感謝と決意」は、壮行会のスピーチを構成するうえで欠かせない要素です。まずは挨拶当日に至るまでの感謝を述べて、今後に向けた決意を述べます。特にこの「感謝」で気を付けたいのは、具体的なストーリーを語ることです。

壮行会に至るまでには、いろいろな葛藤があったことでしょう。辛いことや、それを上回る喜びなどを感じた瞬間の出来事を具体的に語ると良いです。

  • 苦労と成長のストーリー
    なかなか上達せずに悩んでいた時、先生や先輩からかけてもらった言葉や、その一言がどう自分を支え、成長させてくれたのかを具体的に語ります。当時の心境と、その言葉への感謝を繋げましょう。
  • 挑戦と克服のストーリー
    「もう無理だ」と諦めそうになった瞬間、それを乗り越えるきっかけとなった出来事や仲間の支えを振り返ります。挑戦の困難さと、それを乗り越えた時の喜びを対比させることで、感動的なストーリーになります。
  • チームの絆のストーリー
    チームで掲げた目標に向かい、メンバー全員で困難を乗り越え、達成した時の達成感や一体感を語ります。個人の話ではなく、チーム全体の成功体験として話すことで、聞いている仲間との共感を深めます。

こうした「ストーリー」を、まるで日記を紐解くように語ります。それに続いて関係者への感謝を述べると、言葉にリアリティがこもります。

続く「決意」については、「~したいと思う」ではなく「~します」と断定的に明言すると力強い言葉になります。大会直前の壮行会なら「優勝を目指したい思います」よりも「優勝します」の方が頼もしいですよね? 言葉には覚悟が宿ります。大切な思いです。ぜひ力強いことばで語ってください。

「誰の目線で、誰について、誰に向けて語るのか」を意識する

2点目の「語りの視点」とは、話し手の視点を意図的に定めることです。代表者の挨拶であれば、主語は「私」だけではありません。「私たち」にもなりますし、時には「部長」や「リーダー」としての目線で語ることもあります。この3つの視点を明確に使い分けることで、スピーチに深みが出ます。それらの使い分けを以下に整理してみましょう。

  • 「私たち」(メンバー全員)の言葉で語る
    → チームの歴史や共通の経験、全員で目指す目標について語る。
    チーム全体の思いを代弁する視点です。「私たちはこれまで…」のように語ることで、一体感を演出し、仲間全員の気持ちを代表していることを示します。
  • 「リーダー/部長」の言葉で語る
    チームをまとめる苦労、メンバーへの感謝、代表としての決意を語る。
    代表者としての立場から感謝や決意を述べる視点です。リーダーだからこそ感じた苦悩、責任、そして喜びを素直に語ることで、人間味と信頼性が伝わります。
  • 「私(個人)」の言葉で語る
    → 個人的に支えてくれた人への感謝、自身の成長や目標を語る。
    一人のメンバーとしての個人的な思い出や感情を伝える視点です。個人的なエピソードを共有することで、聞き手との距離を縮め、より深い共感を得ることができます。

同時に「誰に語るか」も忘れてはいけません。感謝を伝える時には、指導者やコーチ、学校関係者や父母など、「感謝を伝えたい相手」をきちんと指名して伝えると、感謝の気持ちが際立ちます。

時には、「リーダーがメンバーに」感謝を伝えることもあるでしょう。あるいは「私個人が両親や家族に」思いを伝えることで、間接的に関係者全員の共感を得る、という応用も可能になります。このように「語りの視点」は、代表者の挨拶においてはとても重要です。

短くても心に残るスピーチは、「感謝と決意」と「語りの視点」への意識から生まれます。ぜひ、印象的な代表者の挨拶を聴衆の記憶に残してください。

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