英語授業でスピーチを取り入れる際は目標とする評価項目を設定する

ただ「話させる」だけのスピーキング活動にしない工夫を

※これは教員向け(教え方)の記事です。

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スピーチは、英語授業におけるスピーキング活動のひとつとして実践されることが多くあります。授業で一斉に実施するスピーチ活動に意味を持たせるためには、必ず「何らかの目標」を設定することをお勧めします。ただ人前で英語を話した、という活動には、スピーチが持つ本質的な学びはありません。

初歩的な目標でも構わないので意識を向けさせる

一対多数となる授業環境で、一人ひとりのスピーチにそれぞれキメ細かな指導を提供するのはなかなか難しいですよね。さらには時間的な制約もあり、いつの間にか「順番に前に出て発表すること」自体がスピーチの目的となってしまいがちです。

高校・中学の英語教育を取り巻くタイトなカリキュラムにおいて、多人数が一斉にスピーチに取り組む場合、何より留意していただきたいのが「明確な目標」を定めるということです。

目標といっても、そんな高度なものである必要はありません。たとえば、「必ず聴衆を見て話そう」「教室の後ろまでしっかり届く声を出そう」「第一段落は暗唱しよう」といった、誰もが実践可能な目標で構いません。それがあることで、授業内でのスピーチ活動が、「単なるスピーキング経験」以上の意味を持ちます。

上達レベルに応じて目標を審査項目に落とし込む

もう少し上のレベルを目指せる環境であれば、先に挙げた「目標」をいくつか列記し、それをスピーチの「評価基準/審査項目」(rubric)に組み込むのも、良い授業実践になります。

スピーチの審査や評価(evaluation)は、それ単体でも複雑な領域です。英語科教育の専門書では、必要以上に難しい審査方法が紹介されていることもありますが、授業におけるスピーチ活動は、何らかの英語関連技能を習得させるためのツールですから、評価方法は極力シンプルなものにすべきと考えます。

シンプルな目標設定は生徒にとっても理解しやすく、スピーチ活動のゴールを目指しやすい取り組みになります。ご自身が担当するクラスの英語運用力に照らし、スピーチ活動を通じて何を学ばせるのが効果的かを考え、そこには誰もができる簡単な目標を含んで、評価項目(審査要項)を設定されることをお勧めします。

中学・高校から大学へのスピーチのバトンをつなぐ

先生方の柔軟なスピーチの運用によって、「スピーチって意外に簡単で面白いんだ」と感じてくれる生徒が増えれば、それはとても喜ばしいことです。そこから先は、我々のような大学教員が英語スピーチ教育のバトンを引き継ぎます。

ぜひ、生徒にとって興味深いスピーチ活動の場を提供してください。このように、小さくても明確な目標を定めることで、生徒の意識は「消化すべき課題」から「達成すべきスキル」へと変化します。

小さな成功体験の積み重ねから生まれる自信が、大学、そして社会へと続くスピーチの土台を形作っていく。そんなポジティブな教育サイクルを、日頃の教室から一緒に作っていきませんか。


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