卒業生|"Colorful Shun" 森嶋さん
スピーチマインドを体現して活躍するグローバルスピーカー

教員をやっていて嬉しいのは、スピーチを学んだ卒業生からの近況報告です。先日、活躍の様子を報告してくれたのは、私がかつて勤務していた大阪経済大学当時の指導学生、"Colorful Shun"こと 森嶋俊介さん。ご本人の了解を得て、彼の活躍を少し紹介します。
夏休みのスピーチ特訓で力強い声を獲得
森嶋さんと出会ったのは、2009年の夏のこと。彼が私の「英語スピーチ特訓」に参加したときに遡ります。
その頃私は、毎年夏休み返上で学生有志を対象に英語スピーチの特別練習を実施していました。大教室を貸し切って1日5時間、週3回(実際にはほぼ毎日!)。今思えば私自身よくやっていたなと感じますし、それよりも私の特訓にしっかり応えてきた学生たちは大したものです。
その特訓に参加した森嶋さんが大教室のステージでスピーチをした時、最初に私が指摘したのは「声の弱さ」でした。「腹式呼吸で、もっとお腹から声を出して!」と何度も指導したのを覚えています。練習日以外でも、彼は発声練習を続けました。そして数週間後には力強い声を手に入れ、夏の練習を通じて豊かな表現力(デリバリー)と自信を獲得していきました。
彼はその年の秋、大阪経済大学主催の「黒正杯 英語弁論大会」で見事に優勝します。スピーチ技術の習得は、スピーチの上達のみにあらず。その後、森嶋さんはスピーチ特訓で得た自信を胸に卒業し、ビジネスパーソンとして国際社会で活躍していきます。
海外駐在での活躍、近畿大学模擬国連でも講演。
建築金物を製造するグローバル企業に就職した彼から、ある時メールが届きました。今ではロサンゼルスの子会社のGMとして活躍しているとの嬉しい知らせです。そこには、彼からのこんな言葉がありました。
テクニックよりも、人間として信頼され、尊敬されるような哲学を持ち、実践できるか、人間として根本的な部分を、特にリーダーは問われると感じています。そして、知っている、からどう伝え、共感して、行動してもらうか、それは清水先生にスピーチを指導してもらった経験を少しは生かせているのかと信じています。
彼の鮮やかな言語化に驚きます。スピーチ技術の習得を通じて「スピーチ・マインド」を学び、グローバル社会の第一線で活躍する森嶋さんの言葉から、改めて学生時代にスピーチを学ぶ意義を感じました。とても嬉しかったです。
その後、9年間の駐在を終えて帰国した森嶋さんは、2024年に開催された近畿大学での模擬国連にゲストスピーカーとして招かれ、60分間の英語講演を成功させます。こちらがその雰囲気を1分間にまとめたYouTubeショート動画です。
わずか1分間ですが、彼の堂々としたプレゼンスが感じられます。きっと、これまで素晴らしい出会いに恵まれてきたのでしょう。
最後に、もう一度。スピーチ技術の習得は、スピーチの上達のみにあらず。一人でも多くの学生にスピーチの魅力を感じてもらえるよう、私も努力を続けなければいけません。森嶋さんのますますの活躍を祈ります。いつも嬉しい報告をありがとう!