Q. 英語でスピーチを始める前にお辞儀をすべきか
「演台に立った時の一礼は、本当に必要ですか?」

Question ▶ 英語のスピーチコンテストやプレゼン大会で、発表前にお辞儀をする人がいますが、した方が良いですか? 丁寧に見えるなら礼をしてから話そうと思うのですが…。

Answer ▶ お辞儀は不要です。話者が演台に登場してから話し始めるまでの数秒間は、スピーチの雰囲気を左右する大切な瞬間です。聴衆を眺めつつ、スピーチの内容にふさわしい「表情と気持ち」の準備を整えてください。
おじぎよりも姿勢を正して聴衆とアイコンタクトを
礼儀としてお辞儀をすることは悪くありませんが、英語スピーチの冒頭では「スピーチの雰囲気を演出すること」のほうが大切です。スピーチの出だしは、聴衆の誰もが話者に注目をしています。お辞儀で顔が見えない瞬間をつくるのは、とてももったいないことです。
スピーチは、司会者(MC)に名前を呼ばれた瞬間から始まります。明るく切り出すスピーチであれば、演台に立った瞬間には既に満面の笑顔が見えているのが理想的。シリアスなオープニングを持つスピーチであっても、姿勢を正して、控えめな笑顔を見せておくのが望ましいです。ゆえにお辞儀は不要です。
過去の記事で「発表前と発表後の余裕を演出する2秒の習慣」について書きましたが、無駄な動作のない、落ち着いた雰囲気は、話者の余裕を象徴します。お辞儀が無駄だとは言いませんが、それより大切なものがあることを覚えておきましょう。
終わりの一礼の代わりに、落ち着いて"Thank you"を伝える。
スピーチの終わりも同様です。せっかくスピーチの世界観を存分に表現したのに、最後にお辞儀で顔が隠れるのは残念です。オープニングと同様、しっかり聴衆を眺めつつ「最後の余韻」を残してください。
英語スピーチや英語プレゼンテーションでは、最後に"Thank you."と言って発表を締めます。この言葉を合図に聴衆は拍手を始めます。つまり、この言葉がお辞儀の代わりとなるのです。背筋を伸ばして胸を張り、堂々と"Thank you"と言えれば、最後の一礼も不要です。
形式的な礼儀よりも、実質的な演出効果を優先するのは話者の裁量です。どちらが自分のスピーチにとって効果的か。お辞儀アリ、お辞儀ナシと、いくつかのバリエーションで動画を撮影し、友人を交えて最終的に判断してください。
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