Q. スピーチコンテストで原稿を見てもいい?
「暗記するのが苦手なので演台に原稿を持ち込みたい」

Question ▶ スピーチコンテストで舞台に原稿を持ち込んではいけませんか?暗記が苦手だし、緊張して原稿を忘れそうで不安です。

Answer ▶ 大会規則で禁止されていなければ、原稿を壇上に持ち込んでも構いません。ただし、原稿に目を落とすと聴衆とのアイコンタクトが切れますから、デリバリーの審査は不利になります。まずは暗唱に取り組みましょう!
英語スピーチにおける暗唱は目標ではなく手段
そもそも、何のためにスピーチを暗唱するのでしょうか。決して「コンテストの決まりだから」という単純な理由ではないはずです。スピーチ大会では、暗唱するのが目標ではなく、暗唱は誠実にメッセージを伝えるための手段です。
誰かに心から伝えたい思いがあるとき、しっかりと相手の目を見て話すはずです。まさか原稿を見ながら愛の告白をする人はいません。それはスピーチでも同じこと。原稿を読んで発表する人と、聴衆に目線を合わせながら語りかける人では、感じる誠実さに大きな差があります。
原稿の持ち込みが大会規則で禁止されている場合、演台に原稿を持ち込めば失格です。禁止されていない場合でも、最初から演台に堂々と原稿を拡げるのではなく、暗唱が完全に途切れた場合の非常用として、演台の脇に置く程度にするのがスマートです。
大会審査における暗唱自体の配点はわずか数%
スピーチ大会の審査用紙に暗記(memoraization)の項目が設けられていることは確かにあります。皆さんはそれを気にされると思うのですが、審査全体において暗記が占める割合は、通常5%ほど。発表中に多少暗唱が飛んでしまっても大丈夫。それだけでプレゼンが台無しになることはありません。
スピーチコンテストの審査員の目線で考えると、暗唱が完璧かどうかよりも、誠実に語れているかどうかの方がはるかに重要です。
審査員が意識するのは、「話者が聴衆と向き合い、誠実に語れているか」です。その観点でいえば、単純に「原稿を見たから減点」ではなく、原稿を見ることによってアイコンタクトや姿勢などのデリバリーが不自然になるから減点、と表現するのが正確です。
大会規則に触れない範囲で、不安ならば原稿を持ち込むのはOKです。ただ、それによってスピーカーの誠実さが失われないように注意してください。
「原稿を見ずに語りかけよう」という熱意も、話者の誠実さを表す大切な要素です。誰しも言い間違いはありますし、多少の暗唱エラーがあっても問題ありません。まずは暗唱練習に取り組み、本番では失敗を気にせず堂々と発表してください。