司会者や知人に紹介されたら最初のお礼を忘れずに
英語スピーチは自分を紹介してくれたMCへのひと言から始まる

フォーマルな式典でもカジュアルなミーティングでも、英語でスピーチをする際に誰かから紹介を受けたら、紹介者にお礼を言うのを忘れてはいけません。司会者は、スピーカーからお礼を言われるまで司会の仕事が終わりません。簡単な言葉で良いので、さらりとお礼を言えるようにしましょう。
フォーマルでもカジュアルでも、まずは心からお礼を。
紹介をしてくれた厚意に対して、きちんと感謝の言葉を口にするのは、英語スピーチのマナーです。日本語でのスピーチの場合、誰かに紹介されるとすぐに「先ほどご紹介に預かりました〇〇と申します」と話し始める人が多いですが、既にこの時点で紹介者への感謝の言葉が忘れられています。
スピーチで伝える感謝だからといって、何も特別な英語表現はいりません。最も簡単な表現なら、誰でも知っている "Thank you, Mr. Yamada (紹介者の名前)."だけで十分です。内容よりも大切なのは「感謝の言葉を忘れずに言う」という心がけです。
慣れてきたら、具体的に「紹介で受けた言葉を褒める表現」を使ってみます。たとえば、"Thank you, Ms. Yamada, for your kind introduction." [山田さん、親切なご紹介をありがとう] といった言葉です。スピーチを求められる多くの場面では、タイミングよくこの言葉が言えればそれで十分です。
MCや紹介者にお礼を言う際はきちんと体を向けて
「お礼を伝える」という行為で大切なのは、言葉よりもその気持ちです。小手先の表現にこだわるよりも、お礼を言うべき相手(紹介者)がいる方向に、ちゃんと体を向けて感謝を伝えるのが大切です。その態度によって、「司会者に感謝の気持ちを伝えていること」を、聴衆にも同時に示すことができます。
司会者への感謝の表現は、著書『すぐに使えるビジネス英語スピーチ100』にも多く登場します。以下にそのバリエーションをいくつか紹介しましょう。
- Mr. Antonio, thank you for your kind introduction. (p. 98)
[アントニオさん、親切なご紹介をいただきありがとう。] - Thank you, Mr. Scott, for your gracious words of introduction. (p. 108)
[スコットさん、あなたの素晴らしいご紹介に感謝しています。] - Thank you for your generous introduction. (p. 109)
[丁寧なご紹介をいただき、ありがとうございます。] - Thank you, Mr. Suzuki, for your wonderful introduction. (p. 114)
[鈴木さん、素晴らしい紹介をありがとう。] - Thank you, Tom, for the very kind words you have expressed on my behalf. (p. 132)
[トム、僕のために親切な言葉を伝えてくれてありがとう。]
カジュアルなパーティであれば、"Great intro, thanks!" [素晴らしい紹介、ありがとう!]といったフランクな表現も使えます。一方、フォーマルな場面で詳細な紹介を受けた際には、"I'm so grateful for your thoughtful introduction." [心のこもったご紹介をいただき、まことに光栄です] のように喜びを丁寧に表現できると、話者の品格が感じられます。
相手に合わせたお礼をタイミング良く返すには「慣れ」が必要です。感謝の言葉をいくつか頭にいれておくと、きっと役立つ時が来るでしょう。