スピーチやプレゼンで質問をしたら2秒待つ

質問したあとは聴衆が考えるための間(ま)を空けて

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聴衆の関心をひくために、スピーチやプレゼンで質問をするのは良い工夫です。でも、せっかく質問を投げかけたのに、お構いなく次の文章を話し続けてしまうと聴衆は置き去りです。質問をしたあとは「2秒の間」を空けましょう。

質問を使った心の対話には間(ま)が必要

スピーチやプレゼンテーションで聴衆の注目をひきつける定番のテクニックに「質問」があります。皆さんも、"Do you know ~?" や "Have you ever ~?" などの質問が入ったスピーチを聞いたことがあるでしょう。

単純な質問を投げかけられると、聴衆は自然とその答えを考えます。口には出しはしませんが、聴衆は心の中で回答してくれています。にもかかわらず、どんどん次の文章を読み進んでいくスピーカーがいます。これではせっかく質問に反応してくれた聴衆を置き去りにします。

質問を投げかけた以上は、聴衆がその答えを考えるための時間を設けましょう。長さにして2秒もあれば十分です。質問をしたら2秒の間(ま)。これで聴衆との「無言の対話」が完成します。

2秒間の無言の対話は聴衆の顔色を伺うチャンス

質問を投げかけた後、2秒の間と同様に大切なのが、聴衆とのアイコンタクトです。会場に静けさが拡がると妙な緊張感がありますが、その時こそ聴衆の顔色を伺うチャンス。お客さまを笑顔で見渡しながら、目線(eye contact)を合わせて「無言の対話」を演出してください。

このような場面で、2秒では回答が難しい質問をしてしまう人がいます。たとえば、"What is the first thing to do to save our planet?" などの難問です。こんな大きな質問をスピーチ冒頭で投げられると、聴衆は頭を抱えてしまいます。そして消化不良のままスピーチを聞き続けることになります。

聴衆の注目を集めるために尋ねる質問は、それに聴衆がパッと回答できるものにしましょう。それでこそ無言の対話が成立します。特に、スピーチ冒頭で質問をする際は、誰もが瞬時に答えられる内容に留めるのが基本です。

聴衆の理解を反復的に擦りこむ修辞疑問文

一方で、難しい疑問文が許される例外があります。それが「修辞疑問文」(rhetorical question)です。修辞疑問とは、話者が特定の答えを想定しつつも、それをあえて自分では言わず、疑問文の形で聴衆に答えさせる(心で言わせる)テクニックです。

具体的な例を考えてみましょう。たとえば、「地球環境保護のためには、まず環境教育の充実が必要だ」と訴えるスピーチをするとします。スピーチが順調に進んで後半に入った時、先ほどと同じ質問(What is the first thing to do to save our planet?)を尋ねます。スピーチ冒頭では答えるのが難しかったこの質問も、後半であれば、聴衆は2秒で「環境教育!」と無言で回答できるでしょう。

つまり、自分で言わずに、聴衆に心で言わせる。これが修辞疑問の力です。これをうまく使えば、同じことを何度も言わずに、聴衆の反復的な理解を促すことができます。※修辞疑問文の注意点については、また別の記事で紹介します。

シンプルな質問と、2秒の間+アイコンタクト。この簡単なルールを身につけて、聴衆の注目を集めてみましょう。

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